2chの男女恋愛に関わる 復讐寝取られ旅スレVIP系 に特化した話題を掲載していきます。 このエントリーをはてなブックマークに追加はてなブックマークに追加
easterEgg
 
 

 
 
 
 

私が初恋をつらぬいた話
(3ページ目)  最初から読む >>



37 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:10:39.78 ID:+beSXCVE0

それからは手紙のやり取りはなくなり、かわりに数日に一度程度
のメール交換になっていた。

本当は毎日でもメールをしたかったが、迷惑になる事を考えて、
極力控えるようにしていたのだ。

細く長くやり取りを続けてもうすぐ高校2年になる春休み前日、先
生から思いがけない知らせが届く。

「移動が決まりました。また〇〇小に戻ります。」






38 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:11:56.51 ID:+beSXCVE0
高校2年が始まる。

先生はこちらに戻って来たが、すぐに会う事は無かった。会って
話がしたい、声が聞きたいとは思ったものの、なんとなく会いに
行く口実が出来ずにいたのだった。


それでもメールだけは続いていた。



そんな感じで日々は過ぎ、その年の9月。

私がずっと歌を習っていた事を聞きつけた高校の先生から、文化
祭の催しで歌ってみないか?とのお誘いがあった。

校内でも歌が好きな生徒を集め、楽器の得意な先生達の伴奏に合
わせて、生徒が好きな歌を歌うという企画。

最初こそ断ったものの、友達からの何で引き受けなかった?の声
や、打診してきた先生の猛プッシュもあり、結局私は1曲限定とい
う約束で引き受けた。

引き受けたは良いものの、何を歌って良いのかが解らない。

面倒な事に巻き込まれたな…と思いつつ、私は友人達に歌って欲
しい曲は無いかを聞いてみた。様々な歌が提案されたが、その中
でも特に仲の良かった友人のリクエスト、Fayrayのtearsという曲
を歌うことになった。女子高生の大好きな、切ないラブソング。
初めて聞いた曲だったが、何より歌詞が甘酸っぱくてなんだか恥
ずかしく、歌う約束をした事をちょっとだけ後悔した。




文化祭も間近になった時、私はそういう経緯で初めて人前で歌を
歌うことになったと、堺先生にメールをした。
先生からは、絶対に見に行くと返事があった。
私は先生にラブソングを聞かれることが物凄く恥ずかしくて、やっ
ぱりちょっと後悔をしたのだった。







39 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:13:46.70 ID:LUqPOmqkP
きゅんきゅんしながらみてるよ〜




40 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:14:21.63 ID:+beSXCVE0
ありがとうございます。


文化祭当日。私達の公演は14時から。

一曲限定と条件を提示してしまったが為にトリを持たされるとい
う事を、私はその日の朝に初めて知らされた。友人達は恋人とデー
ト状態だったので、ただ一人何もする事が無い私は適当にその辺
を見回ると、喧騒から逃げるように屋上に向かった。

やっぱり引き受けるんじゃなかった…

激しく後悔しつつ屋上のベンチに座り2時間くらいボーっとしてい
ると、堺先生からのメールが鳴った。

「高校に着きました。今、どこにいますか?」

単純に歌を見に来るだけだと思っていた私はあまりに早い到着に
驚いて、呆けていた頭も一瞬で吹っ飛んだ。

「何もする事が無くて、B棟の屋上に居ます。」

久しぶりに会えるドキドキと恥ずかしさで一人ソワソワしている
と、返事を返してから15分くらいで、先生は屋上に現れた。

私に気がついた先生は、ニコニコしながら懐かしそうにこちらに
歩いてくる。
昔と何も変わらないその姿を見て、心臓がドクンとなった。


「お久しぶりです、元気でしたか?」
「先生こそ、元気でしたか?」

自然と笑みがこぼれる。

「色々あったけど元気ですよ。…渚さんは変わりましたね、見違
えましたよ。」

「先生はあまり変わりませんね。」


見違えたという言葉に不思議な心地良さを感じながら、数年ぶり
の先生の柔らかい声に身も心もトロけていた。






43 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:16:26.37 ID:+beSXCVE0

久しぶりに会えた嬉しさに胸が一杯になって、何を話せばいいの
か解らなくなった私は、さっきまで座っていたベンチにまた腰を
下ろした。

先生も同じように、私の隣にチョコンと座る。


昔とは何かが違う心地良い沈黙の後で、今度は私から話しかけた。

「…先生って大変ですね。数年であっちに行ったりこっちに行っ
たり。」

私がしんみりそう言うと、先生はフフっと笑いながら小さくフル
フルと首を振った。

「そうでもないですよ。元々引越し好きなんで、丁度いいです。」
「引越しが好きとか、変わってますね。」

私が笑うと、先生はちょっと照れた様に頭をかいた。

「よく言われます。でもどんなに快適な部屋に住んでいても、
またすぐ引っ越したくなっちゃうんですよ。」

「ずっと同じところに居るのが苦手なんですか?」

「いや、そういう訳じゃ無いんですけど、部屋が変わると気分が
変わるというかなんというか…」

「模様替えのようなもの?」

「そうですね、多分そういう感覚なんだと思います。」

引越しが好き…という事は、またすぐ違う所に行ってしまうのだ
ろうか…

「じゃあまたすぐ、他の学校に移動したりするんですか?」

「いや、僕が好きなのはあくまで部屋を変えるって事ですから。」

「そうなんですか。」

「です。自分の好きな地域の中で、部屋だけを変えるんです。
今回戻ってきたのも、自分から希望出したんですよ。ここが好き
だから。」

先生はニコっと笑った。

ここが好き、自分から希望を出した…
別に私に会いたくてなんて言われてもいないのに、何故だかその
様な事を言われた感じがして、また心臓がドキッとした。





44 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:18:14.95 ID:+beSXCVE0

それから他愛の無い話を途切れ途切れにしていると、突然私を呼
び出す校内アナウンスが流れた。
ハッと気がついて時計をみると、もう13時半。

先生に会えて浮かれていた私は、本番前の最後の音合わせをすっ
かり忘れていたのだ。

「今の、渚さん呼び出してましたよね?」

先生は驚いて私を見た。

「……最後のリハーサル忘れてました。」

先生は珍しく大きな声で笑うと、早く行きなさいと私の肩をポン
と叩いた。

「ごめんなさい、行ってきます。」
「はい、ではまた後で。」

呼び出された恥ずかしさと、先生に触れられたドキドキで耳が熱
くなっているのを感じながら、私は急いで職員室へと向かった。






45 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:19:25.94 ID:+beSXCVE0
遅れたものの、リハーサルも無事に終了。
スタンバイの為に会場に向かう。

会場となっているのは来賓玄関前のだだっ広い玄関ホール。
その場所は3階まで大きな吹き抜けになっていて、そこでストリー
トライブ形式で行われる予定だった。


14時になり公演スタート。

最初こそまばらだった観客達は、一年生の数名が歌い終える頃に
は相当な数になっていた。
ここまで観客が増える事を予想していなかった私は、やっぱりま
た激しく後悔していたのであった。

あと一人で自分の番となった時、私は初めて知り合いを探して観
客達の顔を見渡した。

一番前に友人達数名。その少し後ろに友人達の家族がチラホラ。
が、先生の姿はない。あれ?っと思って上に目をやると、先生は
2階からこちらを眺めていた。

ちょうど歌うときに立つ場所の真正面。

なんでよりによってソコなんだ…しっかり見えちゃうじゃない
か…と心の中でツッコミを入れていると、すぐに自分の番は回っ
てきた。





46 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:20:44.86 ID:+beSXCVE0
促されるまま、皆の前に立つ。

私は観客達の顔を見ないようにしながら、緊張を抑える為に2.3回
深呼吸をすると、準備OKの合図をした。声の無いせーので、歌い
始める。

歌いながら少し上に目線をやると、先生と目が合った。
いつもより少し真剣な顔で、でもやっぱりニコニコしながら先生
は私をじっと見ていた。

途端に頭が真っ白になって目が離せなくなる。
甘酸っぱくて恥ずかしかった歌詞は、いつのまにか私の気持ちと
同調して、気がつくとただ淡々と先生にだけ聞かせているかのよ
うに歌っていた。



歌い終わりホッと一息深呼吸して一礼すると、シーンとしていた
会場は割れんばかりの拍手に包まれた。途端に我に返って恥ずか
しくなり、私は逃げるように早足でその場から立ち去った。


真っ赤な顔で一目散に屋上を目指す。
無意識に先生だけ見て歌っていた事が凄く恥ずかしく、なんであ
んな事になっちゃったんだろうと後悔で自分を責めた。


屋上について携帯を開くと、友人達からメールが来ていた。
良かったよ〜凄かったよ〜周りの人も褒めてたよ〜というお褒め
の言葉に少しだけ嬉しくなってニヤニヤしていると、渚さんっと
堺先生の声がした。

「やっぱりここにいた。」

ニコニコしている先生と目が合うと、また私の顔はカーっと熱く
なった。







47 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:20:52.22 ID:L9GcuA1Wi
いいね〜ニヤニヤしながらみてます




49 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:22:24.92 ID:sMVE+LP3i
wktkしながらみてるー!





50 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:22:27.80 ID:+beSXCVE0
ありがとうございます。


「凄かった。他の子達には悪いけれど、ずば抜けて一番上手でし
たよ。」

先生はニコニコしながら言う。
私はブンブンと首を振った。

「そんな事無いです、私はそんなに上手じゃないです。」

恥ずかしさに下を向く。
何だか気持ちが高揚しすぎて、なぜか自然に目が潤んでしまう。
耳まで真っ赤にした私の様子にハハっと笑うと、先生は私の頭を
ポンポンと撫でた。

「恥ずかしがらないで、自信を持って。」

聞き覚えのある懐かしい言葉に一瞬だけ間を置いて、私は思わず
クスっと吹き出した。

「先生、前もそういってくれましたね。」
「そうでしたっけ?」

目が合うと、なぜか私達はアハハと笑い合った。
いつもと変わらない先生の様子に、いつの間にか私の心は落ち着
きを取り戻していた。

「さて、それじゃそろそろ僕は帰りますね。」
「はい、今日はどうもありがとうございました。」
「じゃあまた。」

先生が小さく手を振って背を向ける。

中学2年の頃に止まってしまった時間が、また動き出す音がした。





51 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:24:20.92 ID:+beSXCVE0

文化祭で久々の再会をしてから、私と先生のメールの回数は徐々
に増えていった。

今日はこんな事があったよ。とかありきたりな内容だったけれど
も、一日の終わりに毎日メールするのが当たり前になっていた。
私は人生で2度目の、充実した穏やかな毎日を過ごしていた。


が、しかしその平和が脅かされる日は、突然にやってくる。


冬休みが始まった日。

終業式を終えて家に帰ると、普段から滅多に帰って来る事のなかっ
た母が、台所で鼻歌まじりにご飯の用意をしていた。
ビックリしてどうしたの?と聞くと、母は満面の笑みで私を抱き
しめるとこう言った。

「なぎ〜、私ね〜再婚する事にしたの〜♪〇〇さんっていってね〜
凄く優しいのよ〜♪今日から一緒にココで暮らすからよろしくね〜
♪」

あんまり突然の告白で面食らっていると、母はまた鼻歌を歌いな
がら調理に戻った。

「ちょ、どういうこと!?なんでそんな事になったの!?」

呆けている場合じゃないと、焦って聞き返す。

「どうこうもないわよ〜♪赤ちゃんが出来たからね、一緒に暮ら
すのよ〜♪もうすぐ弟か妹が生まれるの〜♪なぎも嬉しいでしょ?
♪」

「赤ちゃん!?」

「そうよ〜♪おめでたいのよ〜♪〇〇さんももうすぐ帰ってくる
からね〜、仲良くしてね〜♪」

まるで宇宙人と話しているみたいだった。
突然相談もなく勝手に決められても困ると話しても、なんで〜?
どうして〜?としか母は言わない。

話にならない…

そう諦めて自室に戻ると、言いようの無い疲れがどっと押し寄せ
て、私はしばらく何も考えられずにベッドに突っ伏しているしか
なかった。






52 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:26:00.05 ID:+beSXCVE0
夕飯の時。

母から呼ばれてリビングに行くと、母の言っていた〇〇さんとい
う人は、もう食卓についていた。
いつの間にか眠っていたらしい私は、その男が家に来たこともまっ
たく気がついていなかったのだ。

「なぎ〜、この人が〇〇さん♪かっこいいパパが出来てよかった
ね〜♪」

母は目の中にハートマークを浮かべながら、一度も私を見ること
なくそう言った。
お世辞にもかっこいいとは言えない23.4位の、やたらとガタイの
いい…今風にいうと明らかにDQNな男は、私を上から下までギ
ロリとした目つきでゆっ

くり眺めると、

「…………よろしく。」

と、無愛想に挨拶をした。


「………」

私は無言で頷いた。


地獄のような日々が始まった瞬間だった。








>>次のページへ続く


 

 

関連記事

 
カテゴリー:人生・生活  |  タグ:, 感動・泣ける話,   ■殿堂入りのおすすめ記事
 
 
 
 
カテゴリー:人生・生活  |  タグ:, 感動・泣ける話,
 
 
 
 

おすすめリンク

 
 
 

おすすめリンク2

 

AmazonPickup

 

おすすめリンク3

 
 
 

PageRanking

 

お世話になっているサイト様



 

新規相互

 

おすすめブログリンク

 
 
20120608093516