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嘘で固められた男の話
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11 :名も無き被検体774号+:2013/06/01(土) 00:14:32.80 ID:eEbsZKIa0
すると笠井は急に電源が入ったかのように首をカクンカクンと揺らし始めリズムもないのにビートを刻み始める。

俺はその姿にイライラしながらも、

俺DEF「すみませんでした」

そう言って深く礼をする。

笠井 「どーもシャシャセンシタ!」

ジャイ「さっきからナメとんのかゴルアァァァァァア!!!」

ジャイアンの右フックが笠井の頬を突きぬける。

自転車ごと倒れた笠井を更にジャイアンは引き摺り降ろす。

でも笠井は喧嘩が強いはずだ…!ジャイアンまずったな!

そんな事を思っているうちに ジャイアンのモザイク無しの瞬獄殺が目の前で繰り広げられる。

血祭りにあがった笠井を余所に二発めのスーパーコンボが発動しようとする中で さすがに殺害現場に立ち会うワケにもいかないので俺が声をだして止めた。

俺  「すみません、すみません 勘弁してください」

ジャイ「コイツ 俺の事ナメてんだろうがぁ!!!」

俺  「コイツ、なんていうか不器用っていうか、ツッパってるっていうか ちょい悪っていうか」

ジャイ「ちょい悪だぁああ!?なめてんのかコラァ!」

俺  「態度だけじゃなくて頭もちょい悪なんで……勘弁してやってください」

するとジャイアンが少しだけ笑ってくれて 笠井に一撃蹴りを喰らわした後に「行け」と言ってくれたので 俺達は自転車を手で引きながらFの家へと向かう。

その間、ずっと顔面を押さえる笠井。

E 「マジこえぇよ 最低だわ」

俺 「まぁでも俺等悪いっしょ」

F 「だなぁ。おい笠井、太郎に感謝しろよ」

俺 「いやFでしょ、知り合いじゃなかったら終わってたよ」

と俺らが痛み分けをしている時に台本にはない規格外のセリフを言い放つのだった。

笠井「いやぁFのせいだろ、お前の姉貴の知り合いじゃなかったら 俺マジであいつらボコってたよ。迷惑かかるだろうから我慢したけどよぉ」

ドラマか映画の撮影なら監督がメガホン投げつけるレベルのアドリブをぶっこんできた。

なにいってんだコイツ? ヒロポンでもやってんのか?

俺 「ふぇ?ww」

F 「……まぁ姉貴は東京にいるし、やってもよかったけどね」

笠井「マジかよ!?パンチ全然痛くないしさ、我慢して損したな。今からやってこうかな」


12 :名も無き被検体774号+:2013/06/01(土) 00:15:52.68 ID:rKroa4Oe0
ミサワやんこれ


13 :名も無き被検体774号+:2013/06/01(土) 00:19:21.00 ID:eEbsZKIa0
俺達はただ黙る事しかできなかった。

完全にルンバ以下の戦闘力をマジマジと見せられてそんな大口を叩けるなんて、世紀末の蛮族でも言わないだろう。

俺達は一刻も早くFの家で温かい守られた環境に行きたい一心で早歩きした時。

笠井「やべ…煙草忘れた…ちょ戻ろうぜ」

俺 「いや諦めろよ、それか明日行きなよ。もう戻るのは嫌だわ」

F 「確かにせっかく解放されたのに。煙草吸うのお前しかいないしな。また買えばいいじゃない?」

DE「帰ろうよ」

笠井「勿体ないだろ!ちょみんな戻るぞ」

F 「怖くないんだから一人で行ってこいよ」


そのFの言葉に引くに引けなくなった笠井は煙草を取りに公園へと向かって行った。

戦闘力はルンバ以下の癖にプライドだけは惑星ベジータ育ちみたいな奴だった。

俺達はFの家へと入り、ゆったりと桃鉄をした。

とっても平凡なこの時間が幸せだった。


そして三十分後、血まみれの笠井がFの部屋へと帰ってきた。

俺達「ダイジョウブカ?ナンカアッタノ?(棒読み)」

笠井「ちょっと手間取ったけどボコしてきた。あー弱かった」

そう言いながら握られた煙草の箱はプルプル震えていて、煙草を吸う事もなく、深夜三時に笠井は「やっぱ帰るわ…」と言って帰っていった。

この一件でDEは笠井を嫌いだし、近づく事をやめる。

アイツといるとなんとなくロクな事がない。

面倒くさいというのが理由だった。





14 :名も無き被検体774号+:2013/06/01(土) 00:21:06.16 ID:eEbsZKIa0
笠井はというとこの一件が無かったかのように元気に学校にきた。

俺とFはいつも通り学校で話し、笠井に誘われるがままショボイゲーセンへと足を運ぶ。

中には べんぞうさんみたいなオタクのおっさんと、中学生が『モンスターゲート?」っていうメダルのゲームをやっていた。

笠井「どけ!俺が座るんだよ」

そういって半ば無理矢理、中学生をどかしていく笠井。

本当に弱い者には強い。

弱肉強食とはこういうものなのかもしれないが、夏頃にやっていた映画のクローズゼロを黒の皮ジャンで観に来る奴と同じくらいダサイ男だった。

俺 「いやいや、まだやってんだから可哀そうだろ」

笠井「いっつもの事だし!ガキがくんじゃねえっつうの!」

呆れた俺とFは笠井から離れた所の格ゲーをずっとしていた。

その間もオタクのおっさんにメダルをたかったりと、好き放題していた。

もちろん、そんな事をしていれば他の客たちは嫌気がさして どんどん帰っていく。

遂には俺等三人となったのだ。


F 「帰ろうぜ」

笠井「あーまぁそうだな!」

という事でゲーセンから出た時の事だった。

もっくもっくと焚き上がる煙と目線くらいの炎がゆらっゆらっと立ちあがる。

「真っ赤にも〜えた〜♪」と美空さんの音楽が聞こえてきそうなほどに燃え上がっている一台の自転車。

○●○という感じで真ん中の自転車だけが Oh! be burning!

今まさに現在進行形で燃えていた。

やはり報復というものは恐ろしいと俺とFが感じる中で焦る笠井。


15 :名も無き被検体774号+:2013/06/01(土) 00:22:39.93 ID:eEbsZKIa0
「は!?マジうぜぇし、は!?マジうぜぇし」

そう言いながら笠井はブレザーを脱いで自転車のサドルから上がる火を叩き消そうとしていた。

もちろん火が消えた時にはサドルはドロドロに解けており、ブレザーには その溶けた樹脂が大量についていた。

笠井「こんな事で仕返しするしか思いつかねぇのかよ!!」

確かに笠井の言うとおりだ、こんな事でしか返せないなんて情けないと思う。

けれど、こんな大変な状況を「は!?マジうぜぇし」で片付けられる笠井の方が色々とおかしいと思った。

笠井はドロドロになったサドルに尻をつけて帰っていった。


警察に確保された時もそうだった。

雨の日に近くのバッティングセンターへと向かおうとする俺とFと笠井。

雨の中で靴紐を結ぼうと立ち止る笠井を置いて先を歩く俺達。

笠井「ちょっと待てって」

F 「先いってるぞ」

その時だった。

後ろからとんでもない早さで走ってくる警察官二人。

なんだ?と思った時に笠井の身体を掴んでジャンピングトライ大の大人が泥まみれになり、笠井の自慢のツンツンヘアーも泥まみれになる。

笠井「はっなにこれ!うぜ!うぜ!」

そう叫ぶ笠井の声を押しのけて

警官A「16時53分 確保!!!!」

そういって笠井を雨が満ちるアスファルトの上で押さえ付け、関節を決めていた。

もちろん俺達は唖然となり その光景をみていた。

喚く笠井を黙らせようと、警官Aは何度か笠井の顔を地べたに擦りつける。

初老の警官Bがもう諦めろ! などと言いながら笠井の身体をうつ伏せから仰向けにした瞬間

警官B「誰だ!!コイツ!!?」

警官A「え!?」


16 :名も無き被検体774号+:2013/06/01(土) 00:24:07.61 ID:eEbsZKIa0
誤認逮捕?誤認確保というものを初めてリアルタイムでみた瞬間だった。

結局、疑いは晴れてクリーニング代金として一万円貰った笠井はドロドロのクソがついた頭をふりみだしながら満足げだった。

でも俺達の笑いは止まらなくて、バッティングどころではなく

俺 「だww誰だコイツwwwはひ 腹いてぇええ」

F 「え!?wwwダレダコイツwwヒイヒイwww」

笠井「いやぁアノ事だと思ってビビったわ…」

F 「アノ事?」

笠井「いや、サツにバレてねぇみたいだから まだ言えねぇよ」


髪にクソつけて何言ってんだコイツ。

もう俺とFには嘘とか自慢とかどうでもよくて、ただ笠井が異端で面白く恨めない存在だった。

でも そんな笠井の無いにひとしい支持率が暴落する事件が起こった。

それは笠井が168万円の借金を背負った時の事である。


17 :名も無き被検体774号+:2013/06/01(土) 00:24:48.54 ID:rKroa4Oe0
お、いいね


22 :名も無き被検体774号+:2013/06/01(土) 00:31:21.09 ID:eEbsZKIa0
俺達は学校の休み時間にポーカーやら大富豪で賭けをして遊んでいた。

賭けというのもあれだが、レートは買ったら10円で120円溜まるとジュース一本という貯まるまで還元はない可愛らしいレートで遊んでいた。

そんな中で とんでもないレートでやっている奴等の噂が流れ込んでくる。

話によると一回のポーカーで10万とか動くようなレートでやっている奴等がいると、麻雀だともっとすごい事になるだとか

俺とDEFとかは、「恐ろしいなと」話している中でテンプレの如くここで笠井が言い張るのだった。

笠井「俺なら余裕で100万くらい勝てるな」

まぁいつも通りの反応の俺達だったが、そのレートでやっている奴が たまたまクラスにいたのだった。

その話を聞いていた中川という男が立ち上がって、笠井の顔をみてニコっと笑う。

中川「おい、笠井。んなら今日やろうぜ 参加費二万な」

半ば強引にちょっとゴツめの中川くんに連れて行かれる笠井。





24 :名も無き被検体774号+:2013/06/01(土) 00:38:32.03 ID:eEbsZKIa0
出会って二回目の この世の終わりのような表情を浮かべながら引きづられていく笠井。

Fは心配だから見に行くと言ってそのまま、笠井に着いていった。

俺とDEはFが行ったから大丈夫だろ。という事でカワイイ大富豪を再開した。


そしてFからメールが入る。

内容は簡単なもので、対決は麻雀で徹夜で行われるらしく。自称金持ちの笠井は参加費の二万を持ち合わせておらず、Fが貸して参加したらしい。

Fの親父は雀師で、親父の賭けマージャンのせいで大変な思いをしたので賭け麻雀には参加せず とりあえず笠井を見守ると書いてあった。


26 :名も無き被検体774号+:2013/06/01(土) 00:46:16.87 ID:eEbsZKIa0
それから三通ほどFと夜にメールした。

Fが色々と説明をしてくれていたが自分は麻雀のルールがわからないので詳細は はぶきます

そして朝方に届いたFのメールに

【168万負けやがった コイツマジよええ】

という事が書かれていた。

Fに会った時に状況を教えてもらったが、とりあえず途中からレートが青天井になり、笠井はボロボロに負けて終わったらしく

「チッチキチー」と訳のわからない奇声をあげて卓上の上を荒らしまくったらしい。

さすがに笠井と言えど可哀そうだった。

完全にハメられたんだろうとも思った。

俺 「てか完全にハメられたんでしょ?」

F 「いやぁなんか小ずるい手ばっかして勝手に自滅していった 結構フェアだったよ」

どこまでダメな男なんだろうか


25 :名も無き被検体774号+:2013/06/01(土) 00:46:11.38 ID:xB4zd+NkO
取り敢えず>>1は二年五組なのか六組なのか


27 :名も無き被検体774号+:2013/06/01(土) 00:49:03.35 ID:eEbsZKIa0
>>25
すみません 六組ですw


ちなみにこれは釣りじゃなく完全実話です。

需要があってもなくても明日までには書き終えますね。

ちょっと友達に呼ばれたので行ってきます


読んでくれてる人ありがとうございます

補足すると、読んでくれた人がいるかわかりませんが

ゴリラ女ストーカーの一年前の話になります




>>次のページへ続く



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