2chの男女恋愛に関わる 復讐寝取られ旅スレVIP系 に特化した話題を掲載していきます。
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渦人形の話
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19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:47:56.74 ID:aow26l5T0
どんどん頼む




20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:48:15.72 ID:CVKn8iDV0
271 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:02:59.21 ID:x83Y3WRH0
そういえば…
俺はあのときの事を思い出し、
皆に「あの時さ、変な笑い声みたいなのと、なんか子供の姿見たよ
な?」と聞いてみた。

しかしみんなは、声はずっと聞こえていたけど、
子供の姿は最初のドアのところで見ただけで、家の中では見ていな
いという。

俺達がそんなやり取りをしていると、さっきまで黙っていたおじさ
んが、事件の詳細を話し始めた。
非常に長い話だったので要約すると。

俺達がであったのは、『ひょうせ』と呼ばれるものらしい。
これはあの土地特有の妖怪のようなもので、滅多に姿を見せないが、
稀に妊婦や不妊の家の屋根に現れて、笑い声をあげるらしい。

そうすると、妊婦は安産し、不妊の夫婦には子供が産まれるという、
非常に縁起の良いものだそうな。
ただし、理由は全く分からないが、
数十年に一度、なぜか子供を襲い憑り殺してしまうという、
厄介な存在でもあった。

ちなみにあの家は、全くいわくも何もなく、ただ『ひょうせ』が偶
然現れただけの場所なのだが、
『ひょうせ』が子供を憑り殺そうとした場合、それに対する対抗策
があり、
『ひょうせ』が最初に現れた場所に結界を作り封じ込め、
簡易的な祠をつくって奉ることで、
殺されるのを防ぐ事ができるらしい。

合宿所から帰る直前、俺達が見たのは、その封じ込め作業だったわ
けだ。





21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:48:49.96 ID:CVKn8iDV0
272 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:03:29.67 ID:x83Y3WRH0
おじさんは続けて、ただ今回は何かおかしいのだという。
普通、祠をつくって奉ればそれで終るはずなのだが、今回はどうい
うわけだが逃げられてしまって、
E介がまた被害に会い、しかも俺のところにまで現れている。
それに、そもそも現れるだけでも珍しい『ひょうせ』が、
自分達の村とその周辺以外に現れる、というのも全く前例がないう
えに、
『ひょうせ』が前回子供を襲ったのは20年ほど前で、早すぎるの
だそうな。

ただ、おかしいおかしいといっても、現実に起きてしまっているの
だから仕方が無い。
俺達は学校で、村から来たお坊さんに簡易的な祈祷をしてもらい、
お札を貰って、
「君たちはこれで大丈夫だろう」と言われ帰された。
ちなみに、E介に関しては、暫らくお寺で預かって様子を見て、
その間にもう一度祠を建てて、『ひょうせ』を奉ってみるとの事だ
った。

学校から帰された俺達は、各々迎えに来ていた親に連れられて帰る予
定だったのだが、話し合って、ひとまず学校から一番近い俺の家に全
員で泊まることにした。

安全と言われていてもやはり不安だし、全員でいたほうが少しは心
細く無いと思ったからだった。

その夜、俺達が部屋でゲームしていると、
コン…コン…コン…コン…と、窓を規則的に叩く音がした。






22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:49:21.85 ID:CVKn8iDV0
273 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:04:40.52 ID:x83Y3WRH0
さっき説明した通り、俺の部屋は車庫の上にあり、壁もほぼ垂直な
ので、よじ登って窓を叩くなどまずできない。
しかも、その窓は昨晩、例の子供が覗き込んでいた窓だ…
状況が状況だけに、全員が顔をこわばらせていると、
B太が強がって「なんだよ、流石に誰かの悪戯か風のせいだろ?」と、
カーテンを開けようとした。

俺は大慌てでB太に事情を話し、カーテンをあけるのを踏みとどま
らせた。

窓を叩く音はまだ続いている。
D幸が、「やっぱ正体確認したほうがよくね?分からないままのほ
うが余計こえーよ…」と言ってきた。
たしかに、何かその通りな気がした。

なんだか分からないものが一晩中窓を叩いている状況なんて、
とても耐えられそうに無い。
俺達は階段のところまで移動し、カーテンを少し開けて、
隙間から俺の部屋を見てみた。

いた…

昨日のあれが、やはり昨日と同じように首をらしき棒を伸ばし、
窓から俺の部屋を覗き込んでいる。

そして時々、コン…コン…と頭を窓にぶつけている。





23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:49:54.09 ID:CVKn8iDV0
274 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:05:45.22 ID:x83Y3WRH0
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という、例の抑揚の無い笑い声のよ
うなものも聞こえてきた。
音の正体はこれだった。
異様な光景だった。
そして、昨日は気付かなかったが、あれは子供と言うより、
和服を来た人形のようだった。

頭が窓にぶつかる音も、人間の頭と言うより、中身が空洞の人形の
ような音だ。

C広が、「ひょうせって、今日もう一度封じ込めたんじゃねーのか
よ…」と呟いた。

その時、俺の親父が騒ぎに気付いて、「お前ら何やってるんだ?」
と階段を上がってきた。
その声にびっくりしたA也が、思わず腕を窓にぶつけて、
ドン!と大きな音を立ててしまった。






24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:50:25.32 ID:CVKn8iDV0
278 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:25:44.15 ID:x83Y3WRH0
"それ”の棒の先にある頭だけが、カクンッという感じでこっちを
向いた。
俺達は顔をはっきりと見た。
"それ”はおかっぱ頭で、笑顔の人形だった。ただし、ただの人形
ではない。

顔は人形特有の真っ白な肌なのだが、笑顔のはずの目は中身が真っ
黒で、目玉らしきものが見えない。
口も同じで、唇らしきものもなく、そこにはやはりぽっかりと真っ
暗な、三日月状の穴のようなものがある。

それでも、目や口の曲線で、『にっこり』と言う感じの笑顔だと分
かるのが余計に不気味だった。

親父が、「だからお前ら何やってるんだ?」と、窓のところに来て
カーテンを全開にすると、
それはサッ!と屋根の影に隠れて見えなくなった。

が、親父にも一瞬、何かがそこにいたのは分かったらしい。
親父は大慌てで1階に降りると、携帯でどこかに電話をし始めた。
どうやら、昼間祈祷をしてくれたおぼうさんや、おじさん達の連絡
先を聞いていたらしく、

そこと顧問の先生のところに電話しているらしい。

その後、影に隠れたきり、"それ”は二度と姿を現さなかった。





25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:50:57.69 ID:CVKn8iDV0
279 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:26:15.67 ID:x83Y3WRH0
朝になり、昨日のおじさんたちや顧問の先生などが俺の家に来た。
とりあえず異常事態ということで、全員を合宿所近くにあるお寺ま
で連れて行くという。
みんなの親たちも俺の家に来たのだが、

おじさんが「被害が更に拡大するといけないから、親御さんは来な
いほうがいい」と言うことで、行くのは俺達だけになった。
俺達は着の身着のまま車に乗せられ出発した。

昼前にお寺に到着した。
お寺に入ると、ジャージ姿でゲッソリとした感じのE介が、
俺達を出迎えた。

E介によると、あれから色々あったが、なんとか今のところは助か
っているらしい。


本堂に入ると、お坊さんと昨日のおじさんが、昨晩の出来事を詳し
く教えてほしいと言ってきた。

俺達が順番に状況を話していると、人形の姿の説明のところで、
おじさんが「ちょと待った、人形?首が長い?何の話をしているん
だ?」と驚いた顔で言ってきた。

そして、俺達が昨日みた人形の姿を改めて説明すると、

お坊さんと、
「いや、これはひょうせじゃないぞ、どうなってるんだ?」

「おかしいとおもったんだ。色々辻褄が合わない」
と、2人で話し合い始めた。






26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:51:28.41 ID:CVKn8iDV0
282 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:02:49.91 ID:x83Y3WRH0
そして暫らく話し合った後、俺達に状況を説明してくれた。
結論から言えば、『ひょうせ』に憑りつかれていたというのは全く
の勘違いで、
どうも俺達に付き纏っているものの正体は、全く別の何からしい。
俺は、今更それはねーだろ…と思った。
おじさんが続けた。
最初状況を聞いたとき、
・子供のような姿
・笑い声
・生徒がおかしくなって笑いながら泣いている
・村の近く
と言う状況から、『ひょうせ』だと思ったらしいが、
どうも今詳しく話を聞いてみると、『ひょうせ』のしわざと症状は
似ているが、姿形が、まるで伝承や過去の目撃証言と違うらしい。
そもそも『ひょうせ』というのは、子供くらいの姿をした毛むくじ
ゃらの猿のような姿で、
服も着ていないしおかっぱ頭でもないし、当然、首ものびたりもし
ないようだ。

笑い声も、俺達の聞いたようようの無い機械的なものではなく、
笑い声といっても、猿の鳴き声に近いとの事だった。






28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:52:00.01 ID:CVKn8iDV0
283 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:03:27.31 ID:x83Y3WRH0
俺達は途方にくれてしまった。

ぶっちゃけ、この寺に来れば全部解決すると思い込んでいたのに、
今更「なんだかわからない」では、どうしたらいいのか…

室内が重苦しい雰囲気になり、皆しばらく沈黙していると、
お坊さんがこう言ってきた。
「とりあえず、何か良くないものがいるのは間違いない。
 少し離れたところに、こういう事に詳しい住職がいるので、
その人を応援に呼んでくる。
 暫らく皆、座敷でまっていてほしい」

そういうと、車に乗りどこかへ行ってしまった。
俺達は座敷に通され呆然としていた。
おじさんはしきりにどこかへ電話をし、かなりもめているように見
えた。

夕方になり、お坊さんが別のお坊さんを連れて戻ってきた。
お坊さんが戻ってくると同時に、さっきのおじさんが携帯を片手に
「えらい事になった!」と、
お坊さんのところに走り寄って来た。

話を聞いていると、どうも村の子供が1人、E介と同じ症状でいる
ところを発見されたらしく、これからこっちへつれてくるという。
この寺のお坊さんが俺達に、
「とりあえず後で話をするから、ひとまず君たちはさっきの座敷で
待っていてくれ」

というと、大慌てで2人で本堂のほうへと歩いていった。






30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:52:35.78 ID:CVKn8iDV0
284 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:03:57.88 ID:x83Y3WRH0
それから15分ほどすると、ワゴン車がやってきた。
車の中からは、E介のときと同じように、けたたましい笑い声がする。

車の扉が開き、中から数人の大人と、笑い声を上げる以外身動き一
つしない中学生くらいの子供が運び出され、本堂へと連れて行かれた。

暫く本堂の中から、
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」という、
笑い声とお経を読む音が聞こえていたが、
それも10分くらいで収まり静かになった。

それから更に15分ほどすると、お坊さん2人が俺達のいる座敷に
入ってきて、色々と説明し始めた。
さっきの子供のほうは消耗が激しいので、本堂に布団を敷いてその
まま寝かせているらしい。
応援でやって来たお坊さんによると、
どうも話を聞いた感じやさっきの子供の様子から見て、
幽霊や妖怪のようなものが原因ではなく、何かしらの呪物が原因で
はないかという。

特に根拠があるわけではないけれど、感覚的にそう感じるらしい。






31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:53:08.95 ID:CVKn8iDV0
285 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:04:37.89 ID:x83Y3WRH0
そして、呪物の類だとすると、と前置きし、
恐らく、祈祷で呪物と君たちの縁を切ってしまえば、なんとかなる
のではないかと。

そして、できればその人形も供養してしまいたい、とのことだった。


とりあえずそういう話でまとまったという事で、俺達もそれで解決
できるなら早くしてほしいと、話がまとまた。

と、その前に、俺はずっと我慢していたのだがトイレに行きたくな
った。
事情を話し、「でも一人じゃなぁ…」と思っていると、他のやつも
全員我慢していたらしく、
結局6人で連れションすることになった。

トイレからの帰り道、本堂へ続く廊下を歩いていると、
どこからか「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という、例の抑揚の無い
声が聞こえてきた。

場所は分からないが、あれがすぐ近くにいるようだ…

C広が「近くにいるよな…」というと、
A也が「かなり近いぞ、やばくね?」と返した。
たしかにかなり近い。でも姿は見えない。
すると最後尾にいたE介とD幸が、
「やばい、早く本堂に逃げろ!」と、窓の上のほうを指差しながら
叫んだ。






32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:53:41.07 ID:CVKn8iDV0
286 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:06:20.82 ID:x83Y3WRH0
俺達が指差した方向へ振り向くと、それはいた…

前と同じように屋根から頭だけを突き出し、「ホホホ…ホホホ…ホホ
ホ…」と笑いながら、例の真っ黒な目と口の顔をこちらに向けながら、
ニコニコと笑っている。

俺たちは全力で逃げ出した。

本堂に着くと、お坊さん2人とさっきのおじさんが待っていた。
今になって気付いたのだが、おじさんはどうもこの村の村長さんら
しい。
俺達が事情を話すと、お坊さん達はすぐさま俺達を座らせ、
お経を読み始めた。

暫らくお経を読んでいると、本堂の天井のほうから、
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という例の笑い声と、
コツ…コツ…という、俺の部屋で聞いたあの音が聞こえてきた。
俺達はビビりまくって身を寄せ合っていた。

暫らくすると声が聞こえなくなった。
俺が「終ったか?」と言い切らないうちに、
今度は本堂の横の庭のほうから、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
という声が聞こえ始めた。





34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:54:11.74 ID:CVKn8iDV0
287 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:07:05.17 ID:x83Y3WRH0

そして、薄暗くなり始めた本堂の障子に、夕日に照らされたあの人形
のあたまが映し出された。

あたまはユラユラ揺れながら、相変わらずあんぽ不気味な笑い声で笑っ
ている。

その時、俺は恐怖心と不安感と連日の寝不足で、もう耐えられなく
なって、ちょっとおかしくなっていたんだとおもう。

人形の影を見て、恐怖心よりもその姿にイラつきはじめた。
ユラユラ揺れている姿を見ると、とにかくなんだか良く分からない
がムカついてきて、とうとう我慢できなくなった。

俺はお坊さん達がお経を読んでいる横の鉄の燭台を掴むと、
蝋燭もささったまま引き抜き、周りが制止するのも振りきり障子を開けた。
目の前にあの人形の顔があった。

一瞬俺は恐怖心に襲われたが、怒りとイラつきが勝って、
そのまま燭台をぶら下がっている人形の頭めがけ、

「ふざけんなーーーーーーーーーー!」と叫びながら振り下ろした。






>>次のページへ続く

 

 

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