912 : ◆ccqXAQxUxI :2006/09/29(金) 17:09:49
9/10
「…というわけです。私は別れましたけど、新美さんはどうしますか?」
「あたしも…彼也さんと別れます」
当然と言えば、当然の結論に、友人達もその決断を褒めました。
送りたそうな男性陣をやんわり断り、新美は場を後にしました。
さぁ、私も帰ろうかな…と、立ち上がった時。
彼也の親友が告げました。
「私子さんも、彼也と別れるんだよね?」
「ええー?何でそんな事聞くの?」
「駄目だよ、私子さん。別れなきゃ」
親友は笑って、続けます。
「彼也をあんなにしたのは私子さん、貴女なんだからね」
友人達を見渡しました。誰一人笑っていません。
「なんだ。…知ってたんだね」
私も、最初から分かってやってた訳じゃなかったんです。
落ち込んだ時、彼を励ましたくて言っていただけです。
「彼也には、すごい○○(才能、能力、素質、実力etc)があるよ。皆、まだ判ってないだけ!」
「皆、彼也が本物だと感じてるよ。口には出さないけど、君の事を信じてる!」
「彼也は自分を過小評価してる!…私に彼也は勿体ないぐらい、素晴らしい人なんだよ。自分を信じて」
「不運なのは、今だけ。彼也が力を発揮すれば、誰もかなわないんだから」
こんなたぐいの言葉を、ほぼ毎日、彼の耳に吹き込み続けました。
913 : ◆ccqXAQxUxI :2006/09/29(金) 17:13:04
10/10
当初は、くすぐったそうに聞いていた彼也も、次第にそう思い込み、自信をつけていきました。
それに合わせるように、仕事を辞めるたびにお金を貸し、生活には困らないようしました。
「心配しなくていいのよ。運が向いてくれば、アッと言う間に稼げるようになるんだから」
途中から、意図的に彼也を依存症へと導きました。(稚拙なやりかたですが)
彼也をヒモにしてしまえば、捨てられる事は無い──これが、私の策でした。
デブスで、何の能力も無い私は、彼也を逃したら一生独りになってしまう。
彼也は年をおうごとに嘘をつき、プライドは高く、けして他者に頭を下げないようになりましたが、最後まで一緒に生きるつもりでした。
女がいなくなり、お金が尽きれば……身体と金が自由になる私のところへ、きっと戻ってくる──。
しかし、彼は戻る事はありませんでした。
誰かから私の目論みを聞いたのでしょう。
お金は消費者金融から借りて、生活。
数か月後、返済出来ず失踪。
一年後、高校時代の友人から通帳と印鑑を盗んだと噂で聞きましたが、それを最後に消息は不明です。
私は現在も独り。恋人も友人もなく、7年間無為に過ごしています。
電番・メアドは変えていませんが、連絡が来ることは無いでしょうね。
携帯から失礼しました。
こんなくだらない話を最後までお読み頂き、本当に有難うございました。
915 :恋人は名無しさん:2006/09/29(金) 17:15:50
こ…こわひ…ガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル
916 :恋人は名無しさん:2006/09/29(金) 17:21:25
恐いね
917 :恋人は名無しさん:2006/09/29(金) 17:27:46
これは怖い
918 :恋人は名無しさん:2006/09/29(金) 17:28:41
なんか…どちらも被害者で加害者っていうか…
おもしろいけど、考えさせられるね。
9/10
「…というわけです。私は別れましたけど、新美さんはどうしますか?」
「あたしも…彼也さんと別れます」
当然と言えば、当然の結論に、友人達もその決断を褒めました。
送りたそうな男性陣をやんわり断り、新美は場を後にしました。
さぁ、私も帰ろうかな…と、立ち上がった時。
彼也の親友が告げました。
「私子さんも、彼也と別れるんだよね?」
「ええー?何でそんな事聞くの?」
「駄目だよ、私子さん。別れなきゃ」
親友は笑って、続けます。
「彼也をあんなにしたのは私子さん、貴女なんだからね」
友人達を見渡しました。誰一人笑っていません。
「なんだ。…知ってたんだね」
私も、最初から分かってやってた訳じゃなかったんです。
落ち込んだ時、彼を励ましたくて言っていただけです。
「彼也には、すごい○○(才能、能力、素質、実力etc)があるよ。皆、まだ判ってないだけ!」
「皆、彼也が本物だと感じてるよ。口には出さないけど、君の事を信じてる!」
「彼也は自分を過小評価してる!…私に彼也は勿体ないぐらい、素晴らしい人なんだよ。自分を信じて」
「不運なのは、今だけ。彼也が力を発揮すれば、誰もかなわないんだから」
こんなたぐいの言葉を、ほぼ毎日、彼の耳に吹き込み続けました。
913 : ◆ccqXAQxUxI :2006/09/29(金) 17:13:04
10/10
当初は、くすぐったそうに聞いていた彼也も、次第にそう思い込み、自信をつけていきました。
それに合わせるように、仕事を辞めるたびにお金を貸し、生活には困らないようしました。
「心配しなくていいのよ。運が向いてくれば、アッと言う間に稼げるようになるんだから」
途中から、意図的に彼也を依存症へと導きました。(稚拙なやりかたですが)
彼也をヒモにしてしまえば、捨てられる事は無い──これが、私の策でした。
デブスで、何の能力も無い私は、彼也を逃したら一生独りになってしまう。
彼也は年をおうごとに嘘をつき、プライドは高く、けして他者に頭を下げないようになりましたが、最後まで一緒に生きるつもりでした。
女がいなくなり、お金が尽きれば……身体と金が自由になる私のところへ、きっと戻ってくる──。
しかし、彼は戻る事はありませんでした。
誰かから私の目論みを聞いたのでしょう。
お金は消費者金融から借りて、生活。
数か月後、返済出来ず失踪。
一年後、高校時代の友人から通帳と印鑑を盗んだと噂で聞きましたが、それを最後に消息は不明です。
私は現在も独り。恋人も友人もなく、7年間無為に過ごしています。
電番・メアドは変えていませんが、連絡が来ることは無いでしょうね。
携帯から失礼しました。
こんなくだらない話を最後までお読み頂き、本当に有難うございました。
915 :恋人は名無しさん:2006/09/29(金) 17:15:50
こ…こわひ…ガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル
916 :恋人は名無しさん:2006/09/29(金) 17:21:25
恐いね
917 :恋人は名無しさん:2006/09/29(金) 17:27:46
これは怖い
918 :恋人は名無しさん:2006/09/29(金) 17:28:41
なんか…どちらも被害者で加害者っていうか…
おもしろいけど、考えさせられるね。