2chの男女恋愛に関わる 復讐話寝取られ話旅スレ に特化した話題を掲載していきます。
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何が本当に大事で何が俺に必要か。大事な人が側に居てくれる事がどれほど大切な事か、その時の俺は何も解ってはいなかった。
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582 :熊男 ◆45HBJQcJTY :2005/06/04(土) 21:14:21 ID:fZXN1SuQ
ハーレー話が一段落すると、また話が元に戻った。


彼女『でも周りにバイク乗る人が誰も居なくてねぇ、いつも一人で走ってた。

バイクは楽しいんだけど、仲間と楽しそうにしてるバイク乗り達を見てるとちょっと寂しくなったりもしたよ。』


俺『(うんうん)無言で頷く』


彼女『そんなときに、あたしの部署に新人が配属されたの。地方出身の男の子、二つ年下でひょろりと背が高い子。そう、熊男さんと同い年。

その子が高校時代に原付乗ってたって言ってたのね、大きいバイクにも乗りたいとか言っててね。

二人でバイクの話ばかりしてたわ、それでそのうち自然に付き合うようになって・・・・それがいまの夫』


俺『・・・・・』


彼女『付き合い初めて、すぐ彼も免許とって。二人であちこち走ったわ、そのまま付き合い初めて何年か経った。』


彼女『んで、一昨年プロポーズされた。田舎に戻って家業を継がなきゃならない、俺と一緒に来てくれって・・・悩んだけど、去年の春結婚してこっちに来た。』


彼女『彼の実家近くのアパートで、暮らし始めたんだけど・・・』


そこからは、特に話すのが辛そうだった。


彼女『楽しかったのは最初だけ、一ヵ月もすると様子がおかしいのに気付いたわ。

私がいる時には携帯の電源を切るようになって、パチンコしに行くと言って頻繁に出掛けるようになった』

つづく



583 :熊男 ◆45HBJQcJTY :2005/06/04(土) 21:25:40 ID:fZXN1SuQ
彼女『でも去年の夏に、あいつが風呂に入ってるときに携帯のメールを調べてみたの。

たまたま電源切るの忘れてたみたい、すんなり見れたわ。

そしたら出てくる出てくる、浮気の証拠なんてもんじゃないわね。』


彼女『二人の将来を真剣に考えたいとか、奥さんには申し訳ないんだけどとか・・・

なんか浮気って言うより・・・本気で私と別れさせて一緒になりたいみたいだった』


彼女『風呂からあがってすぐに問い詰めたわ、するとあいつ即座に土下座して私に謝ったの。

ただの女友達なんだ、本気になられて俺も困ってる、もう絶対会わないし連絡もしないから信じてくれって私に言ったわ』


彼女『それで、今回だけは許すって事にしたの。

でもそれから夫婦仲がぎくしゃくしはじめて・・・

また一人でバイクに乗ることが多くなったの、そんな時に一人で道の駅にいる私をナンパしてきた、おっかない顔した大男が熊男さん・・・』


俺『うぅ・・・ナンパのつもりでは無かったのだが・・・』


彼女『いえ、間違いなくナンパされましたw』


つづく



659 :熊男 ◆45HBJQcJTY :2005/06/07(火) 23:24:42 ID:ytQdNpYk
彼女『女一人でバイク乗ってるとね、男の人に声かけられるなんて事はしょっちゅう。

でも連絡先教えたのは熊男さんが初めてだったのよ、なんかこの人いいなあ〜って思ったから。』


俺『光栄ですw』

ちょっとおどけて言うと、彼女の表情が少し柔らかくなったような気がした。


彼女『でもその後も夫婦仲は相変わらずね、良く言えば淡々と、でも今考えると惰性で一緒に暮らしてるような感じだったわね。

でもその時はね、別れる気は全然無かったの。

・・・・(言いにくそうに)だって好き合って一緒になって、こんな遠くまでおヨメに来たのよ。』


俺『それはまあ・・・そうだろな』


彼女『だから熊男さんの事は気になってたんだけど、会わないでただのメル友で居ようと思ってた。

また会っていっぱい話せば好きになっちゃいそうな気がしたし、好きになると今よりもっと辛くなるから・・・

何より熊男さんに悪いと思ったし、でも結局はこうなってるんだけど(苦笑)。

何より今はぎくしゃくしてても、夫婦でお互いに努力してれば、また昔みたいに仲のいい二人に戻れると信じてたから・・・・』


ここでふと時計を見ると十二時を回った所だった、俺は無言で立ち上がって台所に行った。

やかんで湯を沸かし、なんて事無いスーパー産ブレンドのコーヒー豆を取出す。

カフェイン中毒の俺と彼女、かなり濃いめにいれたコーヒーをゆっくり飲んだ。

夜はまだまだ長くなりそうだった。


つづく



662 :熊男 ◆45HBJQcJTY :2005/06/07(火) 23:38:42 ID:ytQdNpYk
カップを脇に置き、再び彼女が口を開く。


彼女『冬の間は何も起こらなかったわ、でも雪が溶けてこれから春って時だったんだけど・・・あたし、見ちゃったのよ。』


俺『何を?』


彼女『日曜だったんだけど、あいつ急ぎの仕事があるから行ってくるって言って出掛けて行ったわ。

あたしは一日ゲームしてるつもりだったのだけど、外見たらすんごくいい天気だったわけ。

だからね、寒いの我慢してちょっとだけバイクに乗ることにしたの。』


彼女『冬の間もまめにエンジンかけて整備もしてたからすぐに走りだせたわ、その辺一回りしてすぐ帰るつもりで出掛けたの。

でもホントお日様が気持ちいいんだよね、だからちょっとだけ遠乗りしようと思ったわけ。』


彼女『それでバイパスの入り口の交差点で右折しようとして信号で停まったら、隣の直進レーンにあいつの車が停まってたの。

バイクに乗ったあたしには気付いて無いみたいだった、見ると携帯で誰かさんと話すのに夢中でね。』


彼女『その顔がね・・・、仕事の話しする顔には見えなかったの。あたしピーンと来たわ、だから少し離れて後を付けてみたの。

・・・・ずっと電話しっ放しで、あたしには全然気付いてなかったみたいね。

それから後は予想どおり、ここと同じようなアパートの部屋に入って行ったわ。』


俺はもう口も相槌も何も挟まない、いや・・挟めない。固唾を飲んで、悲しそうに話す彼女の口元辺りを見つめていた。


つづく



759 :熊男 ◆45HBJQcJTY :2005/06/14(火) 09:28:51 ID:h/dwsryG
彼女『その時はもちろんメチャメチャ腹が立ったわ、でもそれよりも・・・

ああ〜やっぱりもうダメなんだな〜っていうあきらめの気持ちの方が大きかったわ。

今思うとね、あの時あのアパートの前で別れる事に決めてたような気もするわ。』



俺はずっと、彼女の口元の辺りを見ながら話を聞いていた。

もちろん俺には、彼女がそんな辛い時期を過ごして居たなんて事は知る由も無かった。

だがそれでも他愛の無いメールのやり取りに一喜一憂していた自分、それが情けなく真っすぐ目を見れずにいた。


彼女『あいつの車の前に立って電話したらすぐに出たわ、車の前を見ろって短く言って部屋の方を見た。

すぐに例の部屋のカーテンが少し開くのが見えて、電話の向こうでなんかバタバタやってるのが聞こえた。』



彼女『それから部屋の前に行ってブザーを鳴らして・・・・後はお決まりの修羅場ね、この辺はあまり話したくないなぁ・・・ごめんね。』


俺『いいよ・・・、話せる事だけで。』


彼女『うん・・・、ありがと』


もう彼女の声は、静かな真夜中でなければ聞き取れない程に小さかった。

部屋の空気は重く、もう彼女に話の先を促すのは酷すぎると思った。

時計を見ると3時少し前、後もう少しで夜が明ける。そう思った時、ふと思い付いた事があった。

つづく


762 :熊男 ◆45HBJQcJTY :2005/06/14(火) 21:12:58 ID:h/dwsryG
続き↓

俺『なあ、ちょっと車で外に出てみないか?』

彼女『今から?、どこに?』

俺『さあ?、出てから考えたらいいでしょw』


その数分後には車中の二人、コンビニで飲み物とおやつを買い込んで真夜中のドライブ開始だ。

だんだん部屋から遠くなるにつれて、俺も彼女も口数が増えて来た 。

話題はほとんどがバイクの事だった、北海道の真っすぐな道、旅、林道、キャンプ、そしてハーレーの事。

なんとなく山に向かうことにして走っていると、だんだん空が明るくなって来た。



ここいらで一番高い山の中腹ににある駐車場の隅に車を止め、手を繋いで薄暗い遊歩道を歩きだす。

数分で海が見えて素晴らしく、見晴らしがいいはずの東屋に着いた。だが残念ながら、濃い朝霧で何も見えなかった。

俺は霧で濡れたベンチに構わず座り、彼女を片膝に座らせる。彼女はにっこりと笑い、ありがとうと言った。

つづく



764 :熊男 ◆45HBJQcJTY :2005/06/14(火) 21:17:34 ID:h/dwsryG
つづき↓

その後しばらくは二人とも無言だったが、不意に彼女が淡々とした口調で語りだした。

・・・その後はもう夫とはほとんど会話が無かった事、そんな中で二人が別れる方向で話し合いを始めた事。


彼女『別れると決めたら、もうあなたの事が気になって仕方なかった・・。

あなたが居なかったらあの時絶対実家に帰って、二度とこっちに来なかったと思う。』


俺『そうだったのか・・・』


彼女『その後はお互いの両親も交えて何度か話し合って、しばらく別居して二人とも頭を冷やせという事になったの。

それで住んでたアパートを引き払ってあいつは実家に、あたしは改めて一回り小さい部屋を借りる事にした。』


俺『それが今の部屋ってわけか・・・』


彼女『あたしってずるい女だよね、大事なことを全部隠してあなたと付き合ってた。

・・・新しく部屋を借りる事にした時ね、もしかしてこのまま何も話さないで済むかもって勝手な事まで思ってたの。』


俺『・・・・』


彼女『その後は特に何も無かったから、もうあなたも知ってる通りよ。今年中には元の姓に戻るつもり、・・・これで全部話したわ。もうあなたに隠し事は一つもない、これからも絶対にしないわ。』


彼女は真っすぐ俺を見て、『いままで隠してて本当にごめんなさい、・・・こんなあたしでも一緒に居てくれる?』と聞いてきた。


俺は今までの疑念が一つ一つ腑に落ちていき、同時に心が晴れ晴れとしていくのを感じてた。

もちろん俺の返事は一つしかなかった、でも照れ臭いので明後日の方向を見ながら小さく頷いただけだったが。やはり何も言わず寄り添ってくる彼女、静かな時間が流れていった・・・。

周りは何時の間にかすっかり朝になっていたが、相変わらず霧が濃くて何も見えない。

彼女と手を繋いで車に戻りながら、そういえばもう夏も終わりなんだなあと思っていた。


つづく


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135 :熊男 ◆45HBJQcJTY :2005/06/27(月) 02:14:50 ID:ReVdRQnb
全部吐き出して緊張感が切れたせいだろう、彼女は部屋に戻る道中ずっと可愛い寝息を聞かせてくれた。

俺は歯を食い縛り睡魔に耐えつつ部屋に辿り着き、一緒のベッドで泥の様に眠った。



夕方頃起きだして二人で買い物に出る、まず中古ソフト屋のワゴンセールでイージーライダーのビデオを買った。


スーパーで晩の食材を揃えた後、彼女にせがまれてバイク屋にハーレーを見に行く事にした。

彼女は店員を引きつれて、あれこれ跨がったり俺に跨がらせたり質問したりしていた。

どうやら彼女は俺を洗脳してハーレー乗りにさせたいらしい、買ったらあたしにもたまに乗らせてねとか言ってるし・・・。



俺『でもそんなに乗りたきゃ、自分で買って乗ればいいんじゃないの?』

彼女『だって・・・、あたしにはもうあの子(彼女のバイク)が居るもん』

俺『俺だって(ry』

彼女『だって熊男さん、オン車も一台欲しいなってこないだ言ってたでしょ。』

俺『そりゃー、確かにそうは言ったけどさ・・・』

彼女『熊男さんが乗ればかっこいいだろ〜な〜(はぁと)』


とまあ下心丸出しで口説かれていたのだが、俺と彼女では鈴鹿4耐でのグン&ヒデヨシ組以上に体(ry・・・まあ色々試してみた。

その結果あるモデルなら、無理すれば何とか二人とも乗れそうな感じだった。

だが当時の俺は、前の年に四輪を買い替えたばかり。下手な四輪より高価なバイクを買う余裕なんて無かったし、彼女には悪いが全く欲しくもなかった。

粘る彼女の首根っ子を引きずりバイク屋を後にした、その小さい手にはしっかり見積もり書が握り締められていたのだが。

つづく




>>次のページへ続く

 
 

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