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俺を拾った女の話を書く
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57 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:07:45.52 ID:AvmYbN9t.net
けれども、音楽は違った。

バンドのメンバーとして、自分のパートを確実にこなせば必要とされるし、間違っていれば努力の目標をくれた。

それに応える事ができる限り、俺は他人から必要とされる。

それが嬉しかった。


58 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/21(日) 01:08:44.96 ID:AvmYbN9t.net
「ふーんンドマンねえ。売てん

どり酒が回ってきたのか、少しぞんざいな言た。

「だいたい、30過ぎてンドやってるんだったら程度が出てないとおかしいろって話」

き捨る様に言ってすぐた。


59 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:09:32.28 ID:AvmYbN9t.net
「ごめん、たかお君のことじゃないから、ごめんね」

「いや、別に構わないよ。俺もそう思うし。彼氏がバンドマンなの?」


60 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:10:13.52 ID:AvmYbN9t.net
元彼氏、だけどね。

みどりは言った。

もともと浮気の多い男だったが、今回は本気らしく、突然の別れを告げられたそうだ。

バンドは集客も上がってきていたらしい。


61 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:11:24.17 ID:AvmYbN9t.net
「7年だよ、7年!売れないバンドマンを支えた時間が、7年!たかお、分かるか?」

大分酔いが回っているようだった。口調が少し絡むような感じに変わってきた。

そろそろお開きに、と みどりを促し会計を済ませ部屋まで送っていった。


62 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:12:14.13 ID:AvmYbN9t.net
部屋に入ると みどりは吐いた。やはり飲み過ぎだったのだ。

みどりの吐しゃ物の始末をしていると、みどりは泊まってゆけ、といった。そして介抱しろと。

「それでこそ、五分と五分だ。」といった。

その男らしい言葉遣いに少し笑ってしまった。


63 :被検774号+@(^o^)/:2017/05/21(日) 01:12:59.28 ID:AvmYbN9t.net
稿は近くのニでシと替えのパンツ、そしTシャツを買って部屋戻ると みどはローーブルに突っ伏し眠ってた。

をベッドに移しシャワーをりて着を済ませ

半日眠ったせいか少眠くならなかった。

みどは自棄になっているのだろう。


俺は みどり元彼のことを考た。

売れなンドか、とひとりごち

元彼と俺は歳だけでれないバンドマン」でることは同じた。

を埋めるがあるのだろう

彼女が俺淋しめられるのであれば、必なだけ側にいよう。





64 :名も無き被検774号+@\(^o^)/2017/05/21(日) 01:13:33.48 ID:AvmYbN9t.net
よくいるみの顔がら、そ考えてい


65 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:14:07.64 ID:AvmYbN9t.net
俺は眠れない時間を埋めるべく、今朝諦めた本を手にとってみどりが起きるまで読みふけっていた。


66 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:14:53.09 ID:AvmYbN9t.net
「あ、生きてた」

みどりが目を覚ますと、俺は笑いながら言った。

「特製黒酢ジュース飲む?二日酔いには最適だよ。」

俺は得意げに言った。


67 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:15:33.50 ID:AvmYbN9t.net
ありがとう、そう言う代わりに みどりは俺を抱きしめた。

みどりは俺に口づけをし、彼女の求るがままに俺たちは ひとつになった。


俺たちの交際はこうして始まった。


68 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:16:20.70 ID:AvmYbN9t.net
れから、俺とみどりは同活を送った

俺は仕事の少ない時期にかかっていたの退屈な時彼女の部屋で過ごした

必要なものを購入しての準備をして みどりのりをった

初めて居酒に行ったどりが注していた料理ら好み推測そこら味を組み立てていっ

時には朝にものをエストしてもらい、少しずつみどりのなもの傾でいった


69 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:16:52.41 ID:AvmYbN9t.net
彼女は いも喜くれた

調味料が少しつ増いっ増えていく調料を眺めるの故だか誇ら思えた。

た費用は頑なに断わっ

俺は彼女に必要とさ事を感じたし、それに応えら使分が嬉しかった。


70 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:17:56.58 ID:AvmYbN9t.net
食事が終わると いつも2人で借りてきた映画を見た。

映画はみどりが選んだ。彼女が選ぶ映画はどれも面白かった。

普段映画など見ない俺には全て新鮮に映ったし、そんな映画を知っているみどりを凄いとも思っていた。

2人で映画の感想を話したり、たまには酒も飲みにいった。


71 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:19:07.50 ID:AvmYbN9t.net
楽しかった。


72 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:20:10.38 ID:AvmYbN9t.net
こんな生活がずっと続けばいいと、心の底から思った。

彼女の淋しさを埋められたら、何て思っていた自分が恥ずかしく思えた。

必要とされているのかどうかなど、もう、どうでも良かった。

彼女との時間は失う訳にはいかない、大切なものに変わって行った。俺が彼女を必要としていたのだ。


けれども物事は そういつも上手く運ぶわけではなかった。


73 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:21:24.26 ID:AvmYbN9t.net
その日は何の不穏の予感もない、いつもと変わらない普通の日だった。

みどりを仕事に送り、掃除をすませ、買い出しに出かけてひと息ついた時のこと。


Dから電話がかかってきた。恐らく練習の打ち合わせだろう。電話に出ると相変わらず要件を伝えるだけの簡素な内容だった。

今度の音合わせに新曲を持ってくるから、〇〇というバンドの〇〇というアルバムの何曲目を聴いておけ、とのことだった。

俺たちの音楽の意思疎通は いつもこんな感じだった。Dがリズムのイメージを既存の曲で指示をする。

俺はそのイメージにアレンジを加えたものを複数用意してくる。あとは、Dが勝手に気に入ったものを選択して曲に組み込む。

音合わせをして思い描いたものと違えば、また別の曲を聴けと指示をする。


74 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:22:15.12 ID:AvmYbN9t.net
俺は経験からドラマーは主張しない方がバンドはうまく行くことを知っていた。

バンド内の力関係は だいたい曲を作る奴が握っている。

そしてドラマーがアートを主張し始めるとだいたいギターと衝突する。

慢性的な人手不足のドラムというポジションで、ドラマーがバンドを辞めさせられると言うことは、下手くそか、主張が強いかのどちらかだ。


75 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:22:54.49 ID:AvmYbN9t.net
俺はDから指定されたアルバムを借りにレンタルショップに行ってみようかと考えたが、みどりの部屋のCDもなかなかの品揃えだ。

もしかしたらあるかも知れない、と普段見向きもしない棚に同じタイトルを探した。


77 :名無き被検体774号+@(^o^)/:2017/05/21(日) 01:25:11.77 ID:AvmYbN9t.net
、ふと違和感感じるCDがあ

揃えてあるCDの中、タイトルないようにまってある枚があった

な、表に直すため手にとっCDのタイトルを見て俺は驚愕した。





80 :名も被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:28:25.36 ID:AvmYbN9t.net
たちのバンドバムだった。

何故んなものがこにあるのだろう。


81 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:29:17.91 ID:AvmYbN9t.net
このCDは先日のライブ会場で販売されたものだった。レコード屋に置いてあるものではない。

そもそも、俺はみどりに自分のバンド名を明かしていなかった。元彼がバンドマンということでバンドの話は極力しないように努めていたし、聞かれもしなかった。

友達からもらったものなのかも知れない、そう考えてもみた。

けれども、それでは何故この一枚だけ隠すように裏側にしまってあったのかと考えると明らかに不自然だった。

このCDはあの日、つまりみどりと出会った日のライブに来ていなければてに入らないものだった。

様々な憶測と逡巡の末に辿り着いた結論。


82 :名も被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:29:55.90 ID:AvmYbN9t.net
それは、みどりは俺のことを知った、とことた。


83 :名も無き被検体774号+@(^o^)/:2017/05/21(日) 01:30:45.65 ID:AvmYbN9t.net
ども何故それをしてのだろう。そが分らなかた。

隠すからには隠すだけの理があるのだう。

その理由は自分の知ってる情報だけでは推測来なかた。


し、一点、き合うに至ったきっかけ見ず男をと、この部分は少なくとも知らずでなかたということだ

点がいた。

り そんなとなどあり得ないのだ


84 :名体774号+@(^o^)/:2017/05/21(日) 01:31:28.37 ID:AvmYbN9t.net
直にば、気にはなった。

気になっが隠していることを問い詰めも、分かった事実とはない

時がすだろうし、話さないならそれはないのだろう

たCDを裏向きにまま元の位置に戻した。


85 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:32:39.41 ID:AvmYbN9t.net
そして自分は どうだと考えた。

特に何かを隠しているつもりはない。ただ敢えて言わないでいることはある。

正直、その話は聴かされて楽しい話ではないし、みどりの興味がある話でもないと考えていた。

でも、彼女が聞きたいか聞きたくないか、興味があるかないか、その判断を俺がするのは やめようと思った。

話した上で判断して貰えば良いと考え直した。


86 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:33:26.94 ID:AvmYbN9t.net
みどりが帰ってきたら話してみよう、俺が夢にうなされる原因となった話を。

過去に犯した些細な過ちが、人生に少なからず影響を及ぼす、そんな話を。

みどりの隠し事が過ちを孕んでなければ それでいい。

けれども、後ろめたさを感じているならば、自らの意思で話したほうが良いのだ。

彼女が いつか話をしてくれる。

その呼び水になってくれるのなら、そう考えていた。


88 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:34:30.12 ID:AvmYbN9t.net
遅くなってごめんと、みどりが帰ってきた。

食事の準備をする気になれなかった俺は、今日は飲みに行かない?と誘ってみた。

行く行く、とふたつ返事で はしゃぐ彼女を見ると心が重くなった。


90 :も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:37:12.94 ID:AvmYbN9t.net
いつの居酒屋に着いてく乾杯をし、料理もらかた食べた頃合いを見て、は聞いて欲しい事がある、と切り出た。

を改まってと笑たみどりの微かな見てとられた

俺は夢にうなされるその理由につい掻い使摘んで話し始めた。


91 :名も無き被774号+@\(^o^)/2017/05/21(日) 01:38:03.82 ID:AvmYbN9t.net
校の時好きな娘がで。初恋

女は俺の親好きだった。けども、親友には他に好きな娘がいた

結局、俺と彼女は それぞれの思いを遂げることなく、高校時代が終わ

にそれ、くある話ゃん」便

みどりは笑っ

続きがある、と俺は話した。


93 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:39:00.29 ID:AvmYbN9t.net
高校卒業後、その娘は職場の上司と不倫をした。

上司は親友に似ていた。

幼い恋を上手に終わらせられなかった彼女は、親友の影を上司に重ねて不倫に溺れていった。

やがて不倫は露見する事となり、彼女は上司と別れさせられた。

上司との子の堕胎を条件に訴訟を免れた彼女は、心の傷を埋めるべく他の男達の間を転々としてゆく。


男達と関係を結ぶたび彼女は子を宿した。子を宿すたび彼女は堕胎を迫られた。堕胎をさせると男達は彼女から逃げていった。

3人目は堕胎をさせられる事はなかった。けれどもやはり男は逃げていった。

彼女は子を産むと、やがて子供の存在は彼女の家計を圧迫していった。

そして身体を売り生計を立てねばならぬ程に彼女は身をやつしていった。


94 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/21(日) 01:41:38.17 ID:AvmYbN9t.net
「その娘は気の毒かもしれないけど、たかお君 関係ないじゃん。」

みどりは擁護してくれた。




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