1 :♯Fkems :2014/09/27(土)21:52:09 ID:xo5xTYWyH
スレタイの通り
頑張って書き溜めたので、淡々と吐き出していく
内容は一部脚色したり、読み物的にしてあるから全部が全部本当とは言わない
だけど、間違いなく俺の物語
お付き合いください
4 :名無しさん@おーぷん :2014/09/27(土)21:52:55 ID:TNYut6qL3
あれ、トリップつかない
初めてなんで教えてください
5 :名無しさん@おーぷん :2014/09/27(土)21:53:52 ID:0xBZINBkA
#を半角
11 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)21:55:17 ID:TNYut6qL3
>>5
ありがとうございます
13 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)21:56:23 ID:TNYut6qL3
これから嫁さんになる人の、前の彼女です
彼女に出会った時は、俺がまだ高校1年の時だった。出会ったと言う表現が正しいのかは分からない。
だって、彼女と本当に出会うのは、彼女と知り合ってから2年後だったんだから。
きっかけは、何の変哲もないインターネットのチャットだった。
中学の頃からずっと使っていたチャットで、そこにやってくる連中も気心が知れた仲間ばかり。
そこに、彼女は「リーナ」と言う名前で突然チャットルームに現れた。
別に、新しい人が来ることは珍しくない。
でも、そのチャットは古くからいる連中が連日盛り上がっていたため、なかなか新しい人がなじむことはなくなっていた。
だからその時 俺は特段そのリーナという新参者に意識を払うこともなく、仲間とのチャットに没頭していた。
リーナは最初の挨拶以外特に話すでもなく、落ちるでもなく、30分ほどそこにいただろうか。
俺たちは一通りの話に区切りをつけたところで、リーナに声をかけた。
ROMっていて戻ってこないのではと思ったが、思いのほか早く返事が来た。
話してみると意外とチャット慣れしているようで、最近にしては珍しくリーナは仲間たちに溶け込んで行った。
話を聞くと、住んでいるのは俺の隣の県で、年も一緒。若干の親近感を覚えたが、それは俺だけが遠くにいるわけではないと思いたかったからだ。
ただ、それだけ。
14 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)21:57:52 ID:TNYut6qL3
リーナはそれから毎日チャットに現れるようになった。
そんなある日、俺は比較的に早い時間にチャットにログインした。当然誰もいるわけなく、過去ログを眺めた。
リーナは、平日にもかかわらず昼すぎにログインしていた。
しかも、それだけではない。
驚愕に近い感情を覚えた。
そこにあったのは50行もあるログを埋め尽くすほどの彼女の心の叫びがつづられていた。
読み取れるのは、少なくとも学校に行ってないって事。学校で何かあったのか、入学して早々に不登校になってしまったらしい。
そこから先は、彼女の口から出たにしてはあまりにも過激な言葉がつづられていた。
俺は、一通りログを眺めた後そのログをみんなが来る前に全て流した。
そして、俺の胸の内に秘めておくことにした。
15 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)21:58:51 ID:TNYut6qL3
ちなみに、14年前の話です
16 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)21:59:57 ID:TNYut6qL3
その日の夜、彼女は自分のログについてチャットで謝罪したが、むしろ俺が無駄にログ流しをしたところしか見ていない全員が不思議がっていた。
俺がログ流ししたのは、気分だと言い張って彼女が書いた内容には一切触れなかった。
そんな話題もすぐに忘れ去られ、みんないつものチャットに没頭していた時、突如リーナから俺に1:1チャットが入ってきた。
何かと思ったが、予想通りの内容だった。
「私のログ、読んだよね?」
嘘をつくわけにもいかないので、正直に認めた。リーナは、それについては感謝してくれているようだった。
そして、俺はそこで、最初の過ちを犯すことになる。
「俺で良ければ、話聞くよ?」
この一言が俺と彼女の人生を変えた。
俺はこの時、力になりたいと思っただけ。
ただ、それだけ。彼女が悩んでいる理由を知りたいと言う好奇心もあったのかもしれない。
でも、本当に、それだけだったんだ。
17 :GhImFkems :2014/09/27(土)22:01:27 ID:TNYut6qL3
そして、その日はみんなが落ちた後も、二人で早朝まで1:1チャットで話し続けた。
おおよそ内容は、ログに書き連ねてあったことだった。
だけどその時違ったのは、彼女が俺に何かを求めているような気がしたことだった。
チャットにいると、一人じゃない。
俺と話すと、チャットのみんなとは違った安心感がある。
そうリーナは言った。
彼女の話を聞けば聞くほど、その悩みを解消してあげたいと言う思いが強くなった。俺がなんとかしてあげたい。俺なら、なんとかしてあげられるのではないか。
そんな、小さな小さな勘違い。
そんなそんな、大きな大きな過ちを。
19 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:02:52 ID:xo5xTYWyH
その日、リーナと携帯電話のアドレスを交換した。
俺はまだ携帯を買ってもらっていなかったが、親に内緒で買ったPHSみたいなものを持っていたので、それのアドレスで事足りた。
しかも、同じ会社で、その頃は通話無料だったこともあってか、毎晩電話で話すようになった。
初めて声を聞いた時、とてもきれいな声だと思った。きれいだけど、憂いを帯びた声。
悩み事相談になるかと思いきや、電話では案外普通の会話をした。
彼女には妹が一人いて、とても仲が良いみたいだ。
学校に行きたくない理由は、人づきあいが苦手だと言うのもあるが、片親であるためにバイトをしながらの生活で学校でよく居眠りをしてしまう癖があることもその一因であったかもしれない。
だけど、何も責めるべきことはないと思った。
その生活の中で、彼女の中で決定的な出来事が起きる。
20 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:03:30 ID:TNYut6qL3
彼女は正義感が強いタイプの人間だった。
逆に言えば、敵を作りやすいタイプの人間であるのかもしれない。良くも悪くも、まっすぐな人間だった。
部活にも所属せず、クラスでは浮いた存在になっていた。そして、徐々に一部の女子連中からひどい扱いを受けるようになった。
中学生のいじめの代名詞のような持ち物隠しはもちろんとして、軽い暴力を受けるようにもなっていた。
そして、それに耐えきれずに彼女は不登校気味になっていく。それでも行ける日は学校に顔を出していた。
「それ」は起こった。
学校に行った彼女は、いつもの物隠しに遭った。そこで流せればよかったのだろう。だが、不安定な彼女の心はそれを許さなかった。
彼女は「報復」をした。
主犯格の女子に対して暴力をふるった。
正当な反応なのかもしれない。
しかし、仮に彼女が被害者であろうとも、手を出した方が負け。それが世の中のルールなのだ。
彼女は停学処分になった。そこから、彼女の精神は完全に崩壊し、病院に通うようになる。
22 :名無しさん@おーぷん :2014/09/27(土)22:04:50 ID:XomMULl9R
>>20なんかヤバイ感じだお・・・・
24 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:04:59 ID:TNYut6qL3
そんな話を聞かされた。
俺は心からのいら立ちを覚えた。
許せなかった。
力になりたかった。
仮に彼女が報復したことがいかに責められようと、俺は彼女の味方でいたかった。
気持ちが先走る。
彼女の力になりたい。
俺が彼女を救いたい。
アドレスを交換した日から、ほとんど毎日欠かさずメールやチャット、電話で連絡をとるようになっていた。
リーナと出会って半年が経とうとしたある日、俺は大きな決断をした。
彼女に、もっと近づきたい。その気持ちを伝えようと。
電話をした。
いつもと違う空気を感じ取ったのか、彼女も戸惑い気味だった。気持ちを言葉にすることは、これほどまでに大変だとは。
しかし、俺の焦りはあっけなく終わりを迎えた。お願いがあるんだ、と言う彼女の言葉によって。
リーナが口を開く。
「私と付き合って…欲しいの」
俺が言おうとしてた言葉を、あっさりと言われてしまった。
それは、俺の言葉だよ。
お互いにはじめての告白。
これで俺は、彼女の一番近くにいることができる。その喜びをかみしめていた。
この時までは、本当に幸せだった。
これが、二人で犯した大きな過ちのひとつだ。
二人、幸せを得た。
そして少しずつ、終焉へと近づいて行く。
小さな過ちの積み重ね。大きな過ちの後押しを受けて。
でも、気づけない。気づけるはずがない。
俺たちは、幸せだったんだから。
27 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:06:34 ID:xo5xTYWyH
その後もリーナとの付き合いは続いた。
彼女はその後も学校にはあまり行かずにいた。行っても、保健室登校。
だが、彼女は努力だけはやめなかった。自分が負けることを許さなかった。
勉強は人並み以上にし、大学に行きたいと言っていた。俺が行きたい大学に行きたい、と。そう言ってくれたことが嬉しかった。
大学に入れば、またやり直せる。彼女はそう信じていた。
そして俺も、信じていた。
28 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:07:15 ID:TNYut6qL3
だが、無理がたたったのだろうか、彼女は努力とは裏腹に精神的には追い詰められていった。
そんなある日に、彼女がリストカットをしていることを俺は知る。
辛かっただろう。打ち明けることが、どれだけ辛いことか。
そして、俺が嫌いになってしまうのではないかと言う恐怖。
その恐怖を押しのけて、俺に告げた。
リストカットがやめられない。
電話口の声は、もはや言葉が聞き取れないくらいに歪む。涙が止まらないのだろう。
そんなとき、俺ができることは何か。
思った以上に、俺は落ち着いていた。
そう、彼女を受け入れることだ。
俺に出来ることはそれだけかもしれない、だが、彼女がそれを望むなら。例え何があっても、俺は彼女を受け入れる。
俺の拙い言葉で、伝えた。
「何があっても、ずっと一緒だよ」
その日の電話は、会話らしい会話はなかった。彼女の辛そうな泣き声が響き続けていた。
その日俺は、想いを強くした。リーナに辛い思いは絶対にさせない。何があっても、彼女のそばにいよう、と。
29 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:08:13 ID:TNYut6qL3
その日以来、彼女は俺にいろんな報告をしてくれるようになった。
通常の人から見たらどう思われるか分からないが、なんでも話してくれた。
リストカットをしてしまった。
もらった薬を飲みすぎてしまった。
その言葉一つひとつを俺は受け入れた。
ただ聞いてあげることしかできなくても、俺は彼女の言葉を全部受け入れた。
どんな言葉よりも、もっと分かりやすい言葉で。君が好きだと。その一言で彼女が救われるのならば。
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