83 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:15:11.76 ID:mLbuWsMi0
受付にはミソノがいた。
ミソノ「こんにちは、オレくん、末っ子ちゃん」
オレ「こんにちは、久しぶりだね」
ミソノ「なんかシフトがズレちゃって。ふふっ」
来たっ!悩殺ポーズだw
オレ「休憩は何時から?」
若干、動揺するも普通を装いながら言う
ミソノ「ちょうど今からよ」
オレ「じゃ、行こうか」
ミソノ「はい」
というわけで、久しぶりに“土曜の会”成立である。
オレとしては、テーマパークの一件は是非とも避けたい話題
だったのであるが・・・
84 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:17:02.46 ID:mLbuWsMi0
ミソノ「この間はごめんなさいね。小ミソノが失礼なことし
ちゃったみたいで」
って、オイオイ、いきなりこの話題かよ
オレ「あぁ、気にしないで下さい。彼女、ちょっと周りの雰
囲気に飲まれちゃっただけでしょうし」
オレ「カップルがいっぱいでしたからね、ハハハ」
努めて明るく振舞う
ミソノ「・・・それが、そうでもないんです・・・」
オレ「えっ?」
88 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:25:06.00 ID:mLbuWsMi0
以下、ミソノの説明を簡単にまとめると
・当初、小ミソノは母ミソノとオレをくっつけようとしていた
・キーとなる日には“例のカチューシャ”をしてオレを過去
に引き戻そうと企んでいた
・そのためにミソノの卒業アルバムを見て、なんと同じ髪型
に変えていた
・カチューシャについては、母ミソノが大事にしていたので
ピンときたらしい
・その後、母ミソノにその気がないことを知ったが、オレと
は離れたくなかった
・そこで自分がオレと、くっつこうとした
そして
89 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:27:15.15 ID:mLbuWsMi0
・やっぱり、父親がいなくなったのが寂しかったのだろ
う・・・
ということだ。
オレは自分を責めた。
いたいけな女子高校生の傷心を癒すどころか逆に深くエグっ
ていたのだ
その必死な気持ちに何となく気づいていながら・・・
何もできないくせに・・・
いい人を装って・・・
結局は自分が過去の感傷、つまり・・・
姿形の似た小ミソノを使って、高二の自分の再現ドラマを楽
しんでいただけだったのだ。
・・・オレは自分の最低さに吐き気がした・・・
90 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:31:52.53 ID:mLbuWsMi0
オレ「・・・」
ミソノ「・・・」
オレはこの後、どうすればいいのか分からなかった。
たぶんミソノも同じ思いだったのであろう。
オレ「・・・オレ達って、もう会わない方がいいのかな・・・」
ミソノ「そうかもね・・・」
ミソノ「・・・でも、最後にひとつだけ私のお願いを聞いて
くれる?」
なんとなく、怖かったのであるが・・・
オレ「いいよ。なんでも言ってよ」
と、カッコつけて言ってみた。
というか、この母子に許してもらえるなら、本当に何でもし
ようと思ったのも事実である。
92 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:34:15.59 ID:mLbuWsMi0
ミソノ「家に来て欲しいの・・・一度だけ・・・」
オレ「えっ?!」
ミソノ「変な意味じゃないの。あの家は悲し過ぎるから・・・」
ミソノ「最後に楽しい思い出で終わりたいの」
オレ「どういうこと?」
ミソノ「家を手放すことにしたの。二人で暮らすには広すぎ
るから」
93 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:35:59.54 ID:mLbuWsMi0
テーマーパークの帰りに小ミソノを送っていった時に見たのだが
確かに立派な一戸建てだった。庭が荒れた雰囲気だったのは
男手がないからだろう。
それに、あちこちにご主人の思い出が詰まってるんだろうし。
94 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:37:41.59 ID:mLbuWsMi0
ミソノ「それでね、最後にパーティでもして終わりにしよう
と思ったんだけど・・・」
ミソノ「小ミソノと二人だと泣いちゃって辛い思い出になり
そうで・・・」
オレ「そういうことなら喜んで。なんなら仮装でもしちゃい
ますよw」
ミソノ「それ、いいかもっ! ふふっ」
というわけで、鍋パーティ@ミソノ邸が決まった。
96 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:39:22.66 ID:mLbuWsMi0
ミソノ邸の売却が決まり、引越し準備の整った家に俺は居た。
ただでさえ引越し前夜というのは感傷的になるものだが、ミ
ソノ母子にとっては万感の思いがあっただろう。
暗い雰囲気を打ち消すように、努めて明るく振舞っていたよ
うに見えた。
99 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:40:47.19 ID:mLbuWsMi0
ミソノ「オレくん、小ミソノちゃん、お待ちどうさま。ミソ
ノ家特製のスペシャル鍋ですよ〜」
小ミソノ「うわっ、まるっとカニが入ってるしっ!こんなの
初めてじゃん!w」
ミソノ「めっ!本当のことを言ってはいけませんっ! ふふっ」
オレ「おっ、豪勢だなぁ〜」
ミソノ「では、召し上がれ」
オレたち三人は、きゃっきゃっ言いながら鍋を囲んだ。
ミソノもオレもアルコールが入ったせいで、テンションが上
がって楽しかった。
食後はトランプをしたり、カラオケもどきで楽しんだり、大
いに盛り上がった。
オレは、この家最後の夜をミソノの願い通り楽しいものにで
きて満足だった。
そして・・・
100 :名も無き被検体774号+:2012/09/06(木) 23:40:54.26 ID:ubyGJU7N0
支援
頑張れよ
102 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:41:51.37 ID:mLbuWsMi0
いつの間にか深夜になり、小ミソノは自分の部屋に戻った。
ミソノとオレは二人きりで居間のコタツに入りお茶をすすっ
ていた。
ミソノ「なんだか不思議な気分・・・」
オレ「そうだな」
ミソノ「あの人には悪いけど、ずっと前からオレくんと一緒
に居たみたい」
オレ「そんなこと言うもんじゃないよ」
ミソノ「そうね・・・あの人のおかげで小ミソノが居るんだ
し・・・」
ミソノ「今の私にとっては、小ミソノだけが生きがい・・・
グスッ」
オレ「そうだよ。大事にしてあげなきゃ」
オレ「困ったことがあったら何でも言ってよ。できる限りの
ことはするから」
ミソノ「オレくんって優しいのね・・・」
・・・テレビが既に梱包されていたせいもあり、居間は音も
なく静かであった・・・
104 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:43:22.31 ID:mLbuWsMi0
ミソノ「オレくん・・・そっちに行ってもいい?」
向かい側にいたミソノが、躊躇いながら小声で呟くように言った。
オレ「・・・」
オレの返事を待たずにミソノが左横に座る。
そういえば、付き合ってる頃はいつも左側にいたっけ・・・
106 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:45:20.24 ID:mLbuWsMi0
何も言わず、オレにもたれかかるミソノ・・・
彼女に絡めとられた左腕の自由が利かない・・・
ここでオレの脳内では、再び緊急安全保障理事会が招集され
た。
しかし、相手は同い年、かつ分別のある大人、しかも元カノ
ということで 前回よりは危機レベルが相当低く設定された
しまったようであるw
そして、今回提案された選択肢は・・・
107 :名も無き被検体774号+:2012/09/06(木) 23:45:43.65 ID:m8PDrpurP
パンツ脱いでいいかな?
まだ帰宅してないけど
108 :名も無き被検体774号+:2012/09/06(木) 23:46:00.45 ID:i5r5E6kO0
>>107
捕まるなよ?
110 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:47:11.21 ID:mLbuWsMi0
満場一致、オールグリーンの進路クリアで“全軍全速前
進!”の一択であったw
こうなると、もう止まらない。
どちらからともなく近づいて、唇を重ねた。
オレは20年前に果たせなかった思いを込めて燃え上がった。
全身が熱くなる。
そしてオレは彼女を寝室までいわゆる“お姫様だっこ”で連
れて行く。
112 :名も無き被検体774号+:2012/09/06(木) 23:49:44.45 ID:OgxXtfmm0
そうなるか……
113 :名も無き被検体774号+:2012/09/06(木) 23:49:45.20 ID:rxrW2oIA0
何がオールグリーンなんだw
お前、既婚者じゃん
116 :名も無き被検体774号+:2012/09/06(木) 23:51:02.56 ID:i5r5E6kO0
>>113
激しく同意
115 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:50:37.33 ID:mLbuWsMi0
彼女はこんなに華奢だったのか?とその軽さに驚きながらも
ベッドに降ろす。
その瞬間、彼女の何かが弾けた感じがして瞳が突然潤みだす。
彼女が急に積極的になりオレの首に腕を絡めて強く引き寄せる。
オレは彼女の反応に若干驚きながらも、さらに気合いを入れ
たのだが・・・
119 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:54:59.65 ID:mLbuWsMi0
オレは彼女の焦点が、オレには合っていないことに気づいた。
涙に濡れた瞳は確かにオレを見つめているのだが、オレを見
ているわけではない。
オレは、戸惑った。
120 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:58:54.60 ID:mLbuWsMi0
彼女が急に遠ざかる気がした。
確かに彼女はオレの腕の中にいる。
いや逆だ、彼女がオレに抱きついているのだが
心はどこか違うところにあったのだ。
123 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/07(金) 00:00:36.56 ID:eUhtegpu0
そして、次の瞬間・・・
彼女は号泣し始めた。
激しい嗚咽を漏らしながらオレに激しくしがみついたまま
オレの知らない男性の名を何度も何度も叫んだのだ。
それが、この寝室の主であろうことは想像に難くない・・・
125 :名も無き被検体774号+:2012/09/07(金) 00:03:08.46 ID:OgxXtfmm0
やっぱたまんないわ…
126 :名も無き被検体774号+:2012/09/07(金) 00:04:26.69 ID:vy3kAt2WP
パンツ履いた
コンビニで買い物したからまだ表だけど…
127 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/07(金) 00:05:55.58 ID:eUhtegpu0
・
・
・
オレは、ただ呆然と彼女を見つめていた。
別に腹が立ったわけではない。悲しかったわけでもない。
惜しかったなんて、とんでもない。
うまく言葉にできないが、愛する人を失った女性の辛い心の
中を 素手で触ってしまったような切ない、やるせない気分
だったのだ。
やがて彼女の腕から力が抜けてオレからするするっと外れた。
128 :名も無き被検体774号+:2012/09/07(金) 00:06:57.95 ID:AxN5umYX0
せつないなぁ、、、
129 :名も無き被検体774号+:2012/09/07(金) 00:07:18.45 ID:ysSun/+U0
俺、以前高校時代の元カノのことすっかり忘れてて誰お前状
態だったとき酷い修羅場があったが
これ実話なら、それ以上にキツいな
>>次のページへ続く
受付にはミソノがいた。
ミソノ「こんにちは、オレくん、末っ子ちゃん」
オレ「こんにちは、久しぶりだね」
ミソノ「なんかシフトがズレちゃって。ふふっ」
来たっ!悩殺ポーズだw
オレ「休憩は何時から?」
若干、動揺するも普通を装いながら言う
ミソノ「ちょうど今からよ」
オレ「じゃ、行こうか」
ミソノ「はい」
というわけで、久しぶりに“土曜の会”成立である。
オレとしては、テーマパークの一件は是非とも避けたい話題
だったのであるが・・・
84 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:17:02.46 ID:mLbuWsMi0
ミソノ「この間はごめんなさいね。小ミソノが失礼なことし
ちゃったみたいで」
って、オイオイ、いきなりこの話題かよ
オレ「あぁ、気にしないで下さい。彼女、ちょっと周りの雰
囲気に飲まれちゃっただけでしょうし」
オレ「カップルがいっぱいでしたからね、ハハハ」
努めて明るく振舞う
ミソノ「・・・それが、そうでもないんです・・・」
オレ「えっ?」
88 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:25:06.00 ID:mLbuWsMi0
以下、ミソノの説明を簡単にまとめると
・当初、小ミソノは母ミソノとオレをくっつけようとしていた
・キーとなる日には“例のカチューシャ”をしてオレを過去
に引き戻そうと企んでいた
・そのためにミソノの卒業アルバムを見て、なんと同じ髪型
に変えていた
・カチューシャについては、母ミソノが大事にしていたので
ピンときたらしい
・その後、母ミソノにその気がないことを知ったが、オレと
は離れたくなかった
・そこで自分がオレと、くっつこうとした
そして
89 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:27:15.15 ID:mLbuWsMi0
・やっぱり、父親がいなくなったのが寂しかったのだろ
う・・・
ということだ。
オレは自分を責めた。
いたいけな女子高校生の傷心を癒すどころか逆に深くエグっ
ていたのだ
その必死な気持ちに何となく気づいていながら・・・
何もできないくせに・・・
いい人を装って・・・
結局は自分が過去の感傷、つまり・・・
姿形の似た小ミソノを使って、高二の自分の再現ドラマを楽
しんでいただけだったのだ。
・・・オレは自分の最低さに吐き気がした・・・
90 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:31:52.53 ID:mLbuWsMi0
オレ「・・・」
ミソノ「・・・」
オレはこの後、どうすればいいのか分からなかった。
たぶんミソノも同じ思いだったのであろう。
オレ「・・・オレ達って、もう会わない方がいいのかな・・・」
ミソノ「そうかもね・・・」
ミソノ「・・・でも、最後にひとつだけ私のお願いを聞いて
くれる?」
なんとなく、怖かったのであるが・・・
オレ「いいよ。なんでも言ってよ」
と、カッコつけて言ってみた。
というか、この母子に許してもらえるなら、本当に何でもし
ようと思ったのも事実である。
92 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:34:15.59 ID:mLbuWsMi0
ミソノ「家に来て欲しいの・・・一度だけ・・・」
オレ「えっ?!」
ミソノ「変な意味じゃないの。あの家は悲し過ぎるから・・・」
ミソノ「最後に楽しい思い出で終わりたいの」
オレ「どういうこと?」
ミソノ「家を手放すことにしたの。二人で暮らすには広すぎ
るから」
93 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:35:59.54 ID:mLbuWsMi0
テーマーパークの帰りに小ミソノを送っていった時に見たのだが
確かに立派な一戸建てだった。庭が荒れた雰囲気だったのは
男手がないからだろう。
それに、あちこちにご主人の思い出が詰まってるんだろうし。
94 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:37:41.59 ID:mLbuWsMi0
ミソノ「それでね、最後にパーティでもして終わりにしよう
と思ったんだけど・・・」
ミソノ「小ミソノと二人だと泣いちゃって辛い思い出になり
そうで・・・」
オレ「そういうことなら喜んで。なんなら仮装でもしちゃい
ますよw」
ミソノ「それ、いいかもっ! ふふっ」
というわけで、鍋パーティ@ミソノ邸が決まった。
96 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:39:22.66 ID:mLbuWsMi0
ミソノ邸の売却が決まり、引越し準備の整った家に俺は居た。
ただでさえ引越し前夜というのは感傷的になるものだが、ミ
ソノ母子にとっては万感の思いがあっただろう。
暗い雰囲気を打ち消すように、努めて明るく振舞っていたよ
うに見えた。
99 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:40:47.19 ID:mLbuWsMi0
ミソノ「オレくん、小ミソノちゃん、お待ちどうさま。ミソ
ノ家特製のスペシャル鍋ですよ〜」
小ミソノ「うわっ、まるっとカニが入ってるしっ!こんなの
初めてじゃん!w」
ミソノ「めっ!本当のことを言ってはいけませんっ! ふふっ」
オレ「おっ、豪勢だなぁ〜」
ミソノ「では、召し上がれ」
オレたち三人は、きゃっきゃっ言いながら鍋を囲んだ。
ミソノもオレもアルコールが入ったせいで、テンションが上
がって楽しかった。
食後はトランプをしたり、カラオケもどきで楽しんだり、大
いに盛り上がった。
オレは、この家最後の夜をミソノの願い通り楽しいものにで
きて満足だった。
そして・・・
100 :名も無き被検体774号+:2012/09/06(木) 23:40:54.26 ID:ubyGJU7N0
支援
頑張れよ
102 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:41:51.37 ID:mLbuWsMi0
いつの間にか深夜になり、小ミソノは自分の部屋に戻った。
ミソノとオレは二人きりで居間のコタツに入りお茶をすすっ
ていた。
ミソノ「なんだか不思議な気分・・・」
オレ「そうだな」
ミソノ「あの人には悪いけど、ずっと前からオレくんと一緒
に居たみたい」
オレ「そんなこと言うもんじゃないよ」
ミソノ「そうね・・・あの人のおかげで小ミソノが居るんだ
し・・・」
ミソノ「今の私にとっては、小ミソノだけが生きがい・・・
グスッ」
オレ「そうだよ。大事にしてあげなきゃ」
オレ「困ったことがあったら何でも言ってよ。できる限りの
ことはするから」
ミソノ「オレくんって優しいのね・・・」
・・・テレビが既に梱包されていたせいもあり、居間は音も
なく静かであった・・・
104 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:43:22.31 ID:mLbuWsMi0
ミソノ「オレくん・・・そっちに行ってもいい?」
向かい側にいたミソノが、躊躇いながら小声で呟くように言った。
オレ「・・・」
オレの返事を待たずにミソノが左横に座る。
そういえば、付き合ってる頃はいつも左側にいたっけ・・・
106 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:45:20.24 ID:mLbuWsMi0
何も言わず、オレにもたれかかるミソノ・・・
彼女に絡めとられた左腕の自由が利かない・・・
ここでオレの脳内では、再び緊急安全保障理事会が招集され
た。
しかし、相手は同い年、かつ分別のある大人、しかも元カノ
ということで 前回よりは危機レベルが相当低く設定された
しまったようであるw
そして、今回提案された選択肢は・・・
107 :名も無き被検体774号+:2012/09/06(木) 23:45:43.65 ID:m8PDrpurP
パンツ脱いでいいかな?
まだ帰宅してないけど
108 :名も無き被検体774号+:2012/09/06(木) 23:46:00.45 ID:i5r5E6kO0
>>107
捕まるなよ?
110 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:47:11.21 ID:mLbuWsMi0
満場一致、オールグリーンの進路クリアで“全軍全速前
進!”の一択であったw
こうなると、もう止まらない。
どちらからともなく近づいて、唇を重ねた。
オレは20年前に果たせなかった思いを込めて燃え上がった。
全身が熱くなる。
そしてオレは彼女を寝室までいわゆる“お姫様だっこ”で連
れて行く。
112 :名も無き被検体774号+:2012/09/06(木) 23:49:44.45 ID:OgxXtfmm0
そうなるか……
113 :名も無き被検体774号+:2012/09/06(木) 23:49:45.20 ID:rxrW2oIA0
何がオールグリーンなんだw
お前、既婚者じゃん
116 :名も無き被検体774号+:2012/09/06(木) 23:51:02.56 ID:i5r5E6kO0
>>113
激しく同意
115 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:50:37.33 ID:mLbuWsMi0
彼女はこんなに華奢だったのか?とその軽さに驚きながらも
ベッドに降ろす。
その瞬間、彼女の何かが弾けた感じがして瞳が突然潤みだす。
彼女が急に積極的になりオレの首に腕を絡めて強く引き寄せる。
オレは彼女の反応に若干驚きながらも、さらに気合いを入れ
たのだが・・・
119 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:54:59.65 ID:mLbuWsMi0
オレは彼女の焦点が、オレには合っていないことに気づいた。
涙に濡れた瞳は確かにオレを見つめているのだが、オレを見
ているわけではない。
オレは、戸惑った。
120 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/06(木) 23:58:54.60 ID:mLbuWsMi0
彼女が急に遠ざかる気がした。
確かに彼女はオレの腕の中にいる。
いや逆だ、彼女がオレに抱きついているのだが
心はどこか違うところにあったのだ。
123 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/07(金) 00:00:36.56 ID:eUhtegpu0
そして、次の瞬間・・・
彼女は号泣し始めた。
激しい嗚咽を漏らしながらオレに激しくしがみついたまま
オレの知らない男性の名を何度も何度も叫んだのだ。
それが、この寝室の主であろうことは想像に難くない・・・
125 :名も無き被検体774号+:2012/09/07(金) 00:03:08.46 ID:OgxXtfmm0
やっぱたまんないわ…
126 :名も無き被検体774号+:2012/09/07(金) 00:04:26.69 ID:vy3kAt2WP
パンツ履いた
コンビニで買い物したからまだ表だけど…
127 :台風29号 ◆Tp9piHFiRU :2012/09/07(金) 00:05:55.58 ID:eUhtegpu0
・
・
・
オレは、ただ呆然と彼女を見つめていた。
別に腹が立ったわけではない。悲しかったわけでもない。
惜しかったなんて、とんでもない。
うまく言葉にできないが、愛する人を失った女性の辛い心の
中を 素手で触ってしまったような切ない、やるせない気分
だったのだ。
やがて彼女の腕から力が抜けてオレからするするっと外れた。
128 :名も無き被検体774号+:2012/09/07(金) 00:06:57.95 ID:AxN5umYX0
せつないなぁ、、、
129 :名も無き被検体774号+:2012/09/07(金) 00:07:18.45 ID:ysSun/+U0
俺、以前高校時代の元カノのことすっかり忘れてて誰お前状
態だったとき酷い修羅場があったが
これ実話なら、それ以上にキツいな
>>次のページへ続く