1 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 13:59:25.93 ID:XzvFwQtP0
小学生数人が道に迷い見たこともない場所にたどり着いた話
です
4 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:07:11.54 ID:XzvFwQtP0
小学校には毎週水曜日だけクラブ活動があり、4年生以上は
必ずどれかに所属しなければいけなかった
小6の1が所属していたのはスポーツBクラブ
家庭科クラブやパソコンクラブに行くほどインドア派ではないけど
スポーツAクラブほどガチなスポーツはしたくない
体は動かすけど毎週特に何をするかは決まっていないゆるめ
のクラブ、それがスポーツBだった
小4のときからスポーツB一筋だった1は経験を買われてク
ラブ長となり
毎週の活動内容を先生と話し合って決める立場に
全校生徒100人弱の小さな学校なので、新しく入ってきたメ
ンバーも合わせて10数人ほど
仲良くなるためにまず最初の活動はどうしようか先生と相談
していた
5 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:14:14.44 ID:XzvFwQtP0
そして思いついたのが校外への探検
数班に分かれてゴールまでの地図を渡され、途中指定された
ものを集めながら
一番早くゴールにたどり着いた班の勝ちという簡単なゲーム
地図の用意やゴール場所の設定などは先生に任せ、水曜日の
放課後メンバーは校庭に集合した
先生の到着を待つ間に肝心のチーム決めをはじめる
ここで学校周辺の路地や抜け道に詳しい生徒が班員だと有利
になるし
指定されたものが何かは分からないが積極的な生徒がいてく
れれば捗りそうだ
まず6年が4名しかいなかったため全員が班長となり4班編
成に決定
班長がジャンケンし、勝った班から好きなメンバーを指名し
ていくという方式で班を決めていった
6 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:21:37.68 ID:XzvFwQtP0
あろうことかこの肝心なジャンケンで負けてしまい4班になっ
てしまったため選ぶ順番も最後
残った3人+1での班が決定した
メンバーは
ナツキ♀ 小5
ナツキ♂ 小4
ダイチ 小1(特別参加)
1も名前がナツキ(仮名)だったため、ナツキが7,5割を
占めるナツキ班が完成した
どのナツキも仕切りたがりや目立ちたがり、または問題児だっ
たので、1がナツキ1世
ナツキ♀が2世、ナツキ♂が3世と教師や生徒の間で区別さ
れるために呼ばれていた
7 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:27:24.67 ID:exs5tcAx0
だいちキター
8 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:29:05.71 ID:XzvFwQtP0
班が決定したところで先生が職員室から荷物を抱えてやって
きた
まずA4用紙に印刷されたここら一体の地図と、その右上の
ほうに記された赤い丸印
ナツキ班は誰一人分からなかったが、2班あたりから「あ、
ここ○○寺だー!」と声があがった
それを聞いてダイチがそれなら俺場所知ってるー!と声を上
げる
お寺の名前だけなら1も知っている、確か隠れた桜の名所らしい
4月だけあって、皆がゴールした後はそこで軽くお花見でも
するんだろう
正直家はそっち方面ではなくそこらへんの地理には疎いので、
ダイチに任せることになりそうだ
そしてプリントの裏にあった途中で取ってこなければいけな
いアイテムは
「チョウorバッタ」「ホトケノザ」「ペンペン草」らしい
先生からは班に一つずつアミと虫かごが配られた
9 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:32:28.57 ID:exs5tcAx0
必須アイテムいいね
10 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:34:39.55 ID:XzvFwQtP0
ここでルールをおさらいしておく
・一班3〜4名の4班構成
・ゴールは桜で有名なお寺、一番早くついた班の優勝
・途中で「チョウorバッタ」「ホトケノザ」「ペンペン草」
を採ってくること
・先生は お寺に先回りして生徒の到着を待つ
・危険な場所には行かないこと、勝手に家に帰らないこと
ホトケノザとペンペン草はそこらへんに腐るほど生えている
チョウとバッタも草むらを蹴飛ばしていればでてくるだろう
問題児ナツキ3世が途中で暴れださないか心配だが、とにか
く小1ダイチがきちんと案内してくれるのを祈るだけだ
11 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:41:32.90 ID:XzvFwQtP0
1班2班は東出口から、3班と4班は正門から出発となる
自信ありげだった1,2班に比べ3班の班員達は寺周辺に土
地勘がないらしい
ダイチが場所分かると叫んだせいでこちらに寄生する気満々
の視線を向けてきている
奴らを振り切るためにまずはダッシュでスタートしようとナ
ツキ班の心が通じ合い
先生の笛の合図とともに道路の斜め向かいの路地裏に突っ込
んでいった
先頭を走る2世の背中についていきながら後ろを振り返ると
3班は追いかけようかどうか迷った後観念して別の道を進ん
でいった
我らナツキ班の作戦は、山から小学校のほうに流れる小川沿
いに上っていき
そこでどうにかアイテムをゲット、あとはダイチに案内を任
せるという我ながら優勝を狙えそうな作戦だ
12 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:44:54.00 ID:exs5tcAx0
パーティ編成といい
スタートダッシュといい
わくわくするね
13 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:47:24.72 ID:XzvFwQtP0
路地を抜けて早くも小川の下流にたどり着いた
こちらが歩く道はコンクリートで舗装されているものの、
道沿いは草むらとなっている
土手が盛り上がっているため隣は草の生い茂った下り坂、
そこならバッタくらい余裕でいそうだ
俺が採る!俺が採る!とダイチと3世が騒ぎ始めたが、ここ
で採ったあと全力ダッシュすると
虫かごが縦横無尽に揺れ間違いなく虫が弱る
虫嫌いな為、弱った虫の看病をするなんて最悪だ
まずは土手に生えているホトケノザとペンペン草を難なく千切り
全員がぺんぺん草の葉っぱを例の形に加工しながら川を上っていった
14 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:53:58.77 ID:XzvFwQtP0
川を上っていくと、架かっている橋のクオリティも下がり、
ただでさえチラホラしていた民家も全く見えなくなる
両端を田んぼに挟まれ、のどかで暖かい日差しを浴びながら
早速3世が半目になり歩きながら寝かかっていた
ここら辺でもう虫も採っておくことにし、パッと見チョウは
いないのでバッタを探すことになった
1とダイチが草むらを歩き回ってバッタを追いたて、虫取り
の上手い2世が巧みなアミ捌きで
飛び出してきたバッタを捕獲する
坂道側の草むらを歩いてみたが、今日に限ってなぜかバッタ
が出てこない
小さな羽虫や蛾が飛び出すだけだった
15 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:56:16.63 ID:bg2ezppN0
2世♀が捕獲役かよ!w
16 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 14:59:58.99 ID:ErSdN4uv0
全員かくれんぼの人?
18 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 15:05:27.01 ID:XzvFwQtP0
>>16
わかってくれますか
思い出せた中ではこれが最後の話です
19 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 15:06:54.92 ID:exs5tcAx0
>>18
最後ですかー
21 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 15:15:10.40 ID:XzvFwQtP0
>>19
独特のイベントとかはあったんですが面白おか
しくかけるほどの大事件も思い出せず
特に山場が無くていいならいっぱいネタはあるんですけどね
17 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 15:04:30.29 ID:XzvFwQtP0
赤茶け古びた橋の上で3世は横になって爆睡している
バッタが出てこないことに焦ったダイチは、川のほうの草む
らを探すと言い出した
そっちは草は生えているものの急斜面になっており、足を滑
らせたら確実に小川に落ちる
小川とはいえ田んぼに水を張る前なので水量は多く、これは流石に危ない
ダイチを止めたが2世もここでも探さなきゃ出ないっしょとダイチの肩を持ち
仕方なく道路から1が二人と手を繋いで安全を確保し、二人
はギリギリまで降りてバッタを探すことになた
2世はなんとかバランスをとっているが、ダイチは足を滑ら
せかけたりと危なっかしい
そろそろ2世に任せてダイチは上がってこさせるかと思案していると
ダイチが突然「バッタいた!!」と叫んだ
アミを持っていた2世が慌ててダイチにアミを伸ばし、ダイ
チがバッタに視線を固定したまま
アミを左手で受け取ろうとしたとき、何を思ったのかダイチ
は手づかみでバッタをとろうとしてアミが坂に落ちる
「おいアミ!!」と男勝りな2世が叫んだがもう遅く、アミ
は小川の流れに乗って下流に流れていった
ついでにバッタも落ちた
20 :名も無き被検体774号+:2012/11/25(日) 15:12:41.30 ID:XzvFwQtP0
「おいバカ!!」と2世が叫び、1も「もう上がれ!」と怒鳴る
ダイチはバッタが川に落ちたのがツボにはまったらしく笑い
ながら上ってきたが 2世はかなり不機嫌だった
結局苦肉の策で草むらから出てきたものすごく小さい蛾をチョ
ウだと言い張ることにし
2世が驚きの動体視力で手づかみで捕まえなんとか虫かごに入った
さて仕切りなおして地図を見ながら最短ルートを進もうと2
世に地図出してと声をかけると
「持ってないけど」と驚いた顔で言われた
ダイチは?と思ったが流石に小1に命綱の地図を預けるほど馬鹿ではない
橋の上で寝ている3世を2世が蹴り起こし地図のことを聞い
たが「俺持ってねーし!」とやたらでかい声で叫んだ
ここで1と2世は顔面蒼白に
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