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みんなの大好きな、みどりいろのあいつの話
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35 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 19:05:41.68 ID:l7VywiqX0
家の中では四歳児みたいに甘えるロックだが、一歩家の外に出ると、態度は急変して、ジュークを娘のように扱うのだった。

「だって恥ずかしいだろ?」とロックは言った。

「母親と歩いてるところを見られるのは嫌だろ」

ちゅうがくせいみたい、とジュークは思った。

ただ、ジュークとしては、母親のように扱われるより、娘のように扱われる方が楽しかった。

ロックに抱っこされたり、頭を撫でられたりすると、不覚にもふわふわした気持ちになった。


36 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 19:10:13.50 ID:l7VywiqX0
ューロックのに来てから70日目、ロッューク用のッドを買ってきた。

『ま、もうひでねれるんです

ジューーツを張ながらロックに聞いた

「わからない」とすくめた

徐々そううのに慣ていいと

つまでもマミーとているけにもいかない」

これが”やばなれ”というやつか、とジュークは思った


37 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 19:17:22.05 ID:l7VywiqX0
その夜、ジュークは初めてで寝るになった

うはょっさむいな、とジューク寿思った。

頭まで毛布に潜ってみたが、やっぱり寒った


翌日も、そ日もやっぱり寒った

ジューク それを毛布のせいだと思った。

このもうふがいうすいか

ますのベッドのもうふと、なちがだろう

そう考えたジュークは、ロッに潜こみ、ックにきついて、「ああ、得し、体が温まるまではそうしていようと決め、結局その込んまった


39 :名無き被検体774号+:2013/03/31(日) 19:38:02.23 ID:l7VywiqX0
を覚ましたクは、隣でークていを見て、「寝ぼけた俺が連れ込んだのかな?」と思った。


以後ュークは毎日ロベッドに潜こんだ。

しか以前はロックがジュークに抱きつくだけだったのに今ではジューらロックに抱きつくようになっていた

日目、ロックはジュークに言った

「そうか。が欲しいんだな?」

…そうわけじゃです』とジューは答えた。

『なんか、とりでねてると、さむいん


40 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 19:49:49.04 ID:QZ/IcpR0P
面白


41 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 19:59:01.83 ID:g7ay/0Smi
心がぽかぽかしてくる




42 :無き被検774号+:2013/03/31(日) 20:03:13.52 ID:l7VywiqX0
ロックジュー葉を無視し

「じゃあ、俺がクのパピーにばいいだ」

でもは ますたーミーなんょう?

「ああて俺はお前ューク」

『なんかかしです

「おしくない。パピーとマミーが一緒にいる。然だ

『……いいかただと、ふうふ”みたいです

そうた後、ジークはちょと照れた

にをいっていんだ


43 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 20:30:18.30 ID:l7VywiqX0
100日目。

ロックはジュークにきれいな服を着せた。

そうした方が綺麗に見えて、高く売れるからだ。


ロックはジュークを連れて外に出た。

ジュークはその服が気に入っていて、いつになく機嫌がよかった。

『マミーとてをつなぎましょう』とジュークは言い、ロックの手を引いて、ちょっと楽しそうに歩いた。

自分がこれから売り飛ばされることには、まったく気付いていない様子だった。


44 :名も無き被稿体774号+:2013/03/31(日) 20:37:41.57 ID:l7VywiqX0
気付けばジークは、あんまりロッいとは思わなくっていた

ますたー、わたしがもおこらないし、わたのぱぴーにてくれるし、あっかくてだきがいいら、すたーにきられる、やめにしよ

そうジュークは思っ


46 :検体774号+:2013/03/31(日) 21:03:49.73 ID:l7VywiqX0
ックが立ち止まったそこはつてロックュークを購店だった

がここでジュクをったあのから、日でょう100日目だ」とクは言っ

ークは『そんですか』と邪気尿に笑う。

「こ、最初ことなんだ」

ロックは自分に言い聞かせように言う

「この病気が治ろうと治るまい、100日退りで、もう、こういう湿しいことは退やめにしようって。ジューを買っの日決めてたことなんだよ

ロックはジュークの肩右手を置く

「ジク、日限で俺マミ卒業するよ」


47 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:19:09.53 ID:l7VywiqX0
ジュークは表情を固めたまま黙りこんでいたが、全てを受け入れるまで、そう長くはかからなかった。

ロックに向かってぺこりと頭を下げると、ジュークは自分から店に向かって歩いていった。

このきおくは、すぐにけしてしまおう。ジュークはそう思った。

扉の手前でジュークはふと振り返り、自分の衣服や髪留めを指差して言った。

『これ、おかえしします。ますたーのしょゆうぶつですし』


48 :名もき被検体774号+:2013/03/31(日) 21:27:47.14 ID:6zo50D2A0
辛い…ハッピエン願いしま


50 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:32:38.89 ID:l7VywiqX0
ロックは「ああ、たしかにそうだ」と言うと、ジュークに歩み寄り、小さな体をひょいと抱え上げた。

腕の中で目を丸くしているジュークに、ロックは言った。

「でもジュークは、何か勘違いしてるみたいだな。

それを言うなら、ジュークだって、俺の所有物なんだ。

マミーはもう、いらない。

でもだからと言って、ジュークが俺のところから出て行っていいという理由にはならない。

高い買い物だったんだ。二百年は使わないと割に合わない」

『えっと』とジュークはしどろもどろの手話で返した。

『わたし、すてられないってことですか?』

「そうさ。残念だったな」とロックはいたずらっぽく笑った。


51 :無き被体774号+:2013/03/31(日) 21:39:07.85 ID:6zo50D2A0



52 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:40:43.76 ID:l7VywiqX0
いえ、半分くらいですね。


53 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:42:13.41 ID:fIz/CV3r0
素敵だなおい


54 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:45:14.93 ID:l7VywiqX0
帰り道の半分くらいまで来ても、ジュークは自分に起こったことが信じられず、これは自分が廃棄されている最中に見ている都合の良い幻覚なんじゃないかと思っていた。

だがロックが小声で口ずさむ歌を聴いたことで、ようやく「ああ、これ、げんじつなんだ」と気づき、慌ててロックの胸を叩いて地面に下ろしてもらって、あらためてロックに礼を言った後、遠慮がちに抱きついた。


ロックも直前までは、本気でジュークを捨てる気でいたのだ。

でも自分から姥捨て山に歩いていくジュークの背中を見て、ふとロックは思った。

あれを手放すわけにはいかない、と。





55 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:49:08.72 ID:6zo50D2A0
まだ半分なんや!楽しみ!

頑張って!


56 :名も無き774号+:2013/03/31(日) 21:53:10.14 ID:l7VywiqX0
あり


57 :も無774号+:2013/03/31(日) 21:53:19.28 ID:N0PfJtHU0
いつ

だな


58 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 21:57:39.23 ID:l7VywiqX0
帰宅後、夕飯の支度を終えたジュークは、譜面とにらめっこするロックを見て、その横におそるおそる座ってみた。

「もっと近くにこい」とロックは命令した。

言われた通り、ジュークはそばに寄った。

ジュークはロックのきれいな金髪を見ていた。

「ところでジューク」とロックは口を開いた。

「”19”ってのは、シリアルナンバーか何かか?」

ジュークはちょっと迷ってから、こう答えた。

『じゅーくぼっくすの”じゅーく”なんですよ、ゆらいは』


59 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 22:03:40.78 ID:l7VywiqX0
「ジュークボックスとお前に、何の関係があるんだ?」

『んーと、わたし、むかしは、こえがでたんですよ。それで、ちょっとだけ、うたをうたうのがとくいだったんです』

「歌が得意だった?」ロックは訊きかえす。

『はい。もちろん、ますたーほどじゃありませんけどね。

でも、たのまれれば、どんなきょくだろうと うたってました。

そういういみで、じゅーくぼっくすの”じゅーく”なんですよ』

「なるほど。別に18とか20がいるわけじゃないのか」

ロックはちょっと残念そうに言った。


60 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 22:10:10.54 ID:l7VywiqX0
は自書いた譜差して、た。

の経験がるなら、ューク分かるだろう

よ、本当にな譜面だ。面ま美しい。

さっき、なかなかいいっただよ俺は。

俺以外歌えような広音域が問題だが」

そうって、ロックはジュークに五線紙を手渡した

ュークはロックの書いたの譜面を、ラブレタでもたいな表で読んだ。

いう、なつかしいな

ジュークは頭のでそうつやいた。


62 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 22:15:12.16 ID:l7VywiqX0
音符に集中しているジュークの形の良い頭頂部を、ロックは穏やかな目で見つめていた。

「100日目にしてようやく気づいたんだが、ジュークの髪、黒でコーティングされてるだけで、本当の色はエメラルドグリーンなんだな」

ロックはそう言ってジュークの髪に触れる。

ジュークは くすぐったそうに顔をかたむける。

「いや――正確には、ハツネグリーンか。

なあジューク、この色名の由来を知ってるか?

“ハツネ”っていうのは、ちょうど百年くらい前に、日本から生まれたディーヴァの名前なんだ」


65 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 22:26:34.12 ID:bw9cuV0wO
色弱だから水色にしか見えないんだけどミクさんて緑なの?


67 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 22:44:57.25 ID:OHNGIijb0
>>65
yes


74 :無き被検体774号+:2013/03/31(日) 23:14:07.00 ID:l7VywiqX0
”ヴォロイド”くらい知ってるだろう

現状らするとちょと信い話だが三十年くらい前までは、人間のったものより、ヴォーカロの歌っもの方が人気があったんだ。

まあヴォーカロイドに人気あっうよりは、商業が自した、っていう方がのかも

んまりもあらゆる権利主張過ぎんだな。

動で期同人音が大流行したんだが、その流行えたのが、ヴォロイドの存だっ

でこの一切が禁止れて日のを見なくなったロイドだ全盛期は、本当世界を熱たん

ヴォーカロイドの中でも特に絶大な人気を誇ったハツネグリの由来となった『ハツネ』な

上手かったんだが、キャラクターが受けて…」


75 :名も無き被検体774号+:2013/03/31(日) 23:19:25.89 ID:l7VywiqX0
ジュークは立ち上がり、五線紙をロックに返した。

そして部屋の隅にあるシンセサイザーの前に座り、先ほどの譜面を、正確過ぎるほど正確に弾き語ってみせた。


「ますたーのいうとおり、わたしは、うたがうまくないです」

演奏を終えたジュークは、そう言ってはにかんだ。

ロックはしばらく黙り込んでいた。

「ジューク、お前……声が出せたのか?」

「はい。このとおり、ぎこちないですけどね」


まるで、百年前の機械の合成音みたいな声。

そしてコーティングに隠れたハツネグリーンの髪。

完璧すぎる音程、広すぎる音域。

まるで”そのもの”じゃないか、とロックは思う。




>>次のページへ続く



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