死んだじいちゃんが古武道の達人で、3人兄弟、真冬でも毎朝5時に起こされて鍛錬させられてた
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2024-05-08 07:10:04
死んだじいちゃんが古武道の達人で、3人兄弟、真冬でも毎朝5時に起こされて鍛錬させられてた。
親父は温厚な性格というか、暴力を頭から否定するタイプ。
じいちゃんはそんな親父(要は自分の息子)を「軟弱者」となじっていたりした。
5歳くらいから10歳くらいまで毎朝の鍛錬は続いたけど、特に道場とかがある武道じゃなかったし(名前すら覚えてない、もしかしてじいちゃんの我流?)、段を取得したり試合に出たりとかはしなかった。
ただただ、毎朝眠い目をこすりながら鍛錬してた。
そんなじいちゃんも亡くなって、毎朝の鍛錬から解放され、俺は親父に似たのか、暴力沙汰は一切苦手のヘタレとして青春を過ごした(ええ、使いパシリでパンとかも買いに行きましたよ)。
何とか社会人になって、恋人ができて、幸せな日々が続いてたんだけど、彼女と呑みに行った帰りに、5〜6人のガキんちょが特殊警棒とかナイフとかちらつかせて「女を借りる」とか言ってきた。
相変わらず暴力沙汰は大嫌いだったから、何とか話を付けようと(何なら金くらいやろうかと)思っていたら、その中の一人がいきなり金属バットで殴りかかってきた。
そしたら何だか身体が自然に動いて、斜め後方に下がりながら相手の手首を掴みバットを振り下ろしてきた力を利用して、捕まえた手首を軸に一回転投げ。
あれ?とか思ってると、何かわめきながら次から次へと襲いかかってくる。
死んだじいちゃんの亡霊が憑依したみたいに、身体が自然に、面白いくらいに動く。
無意識に相手の みぞおちに正拳。後ろから羽交い締めにしようとした相手には裏拳で鼻の下の急所へ一撃。
全員ほぼ一撃で、道路に転がった(「シュレック」のレオナ姫みたいな感じですか)。
嫌な爽快感に包まれてると警官が来て現行犯逮捕。
過剰防衛ということで、示談金100万円くらいを払わされて(実家の親に泣きついた)、いちおう起訴猶予処分にはなったけど、野蛮な人間は嫌いだと彼女には振られました。
これもみな、古武道なんて身体にたたき込んだジジィのせいだ。
今頃地獄で笑ってるかも知れない。